クリープパーマとは?クリープパーマの特徴と誤解されやすいこと

「クリープパーマってどんなパーマなんですか?」

こんな質問を頂いたので、以前勉強した知識と照らし合わせ打つちょっと調べたところ、Googleさんにおいて何だか誤解を生むような検索結果が出てきたのでちょっと修正をさせていただきたく書かせていただきます。

 

クリープパーマとはどんなパーマなのか。それは

『ほとんど普通のパーマと変わらない』です。

 

唯一違うことと言えば、パーマにおける施術の1つ目の薬剤と2つ目の薬剤の間に乾燥と時間を置くという工程が増えるだけで、作業工程や基本的なパーマの仕組みはコールド二浴式パーマ(いわゆる普通のパーマ)となんら変わりません。

 

なんだか誤解を生むような表現が沢山書かれていたので細かく説明していきます。

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クリープパーマとは

クリープパーマの工程

まずはクリープパーマの簡単な工程から説明していきます。

最初にお伝えしましたが、クリープパーマは通常のパーマの工程にやや変化を加えたものです。

そしてお店によって若干方法が異なりますが、あくまで基本的な工程を説明します。

 

髪の毛を濡らす

まずは髪の毛を濡らします。ロッドと言われるパーマを巻くための棒を巻きやすくするためです。

 

ロッドを巻く

髪の毛にロッドを巻いていきます。

 

1液と呼ばれる還元作用のあるパーマ液を付ける

髪の毛の内部の結合の内「水素結合」「イオン結合」「S-S結合」の3つを切断します。

この結合を切る事で巻いている状態の髪の毛の形に変化出来るようにします。

 

中間水洗、中間処理

1液を水洗することで一度流します。同時に酸化作用のある薬液や髪の毛の栄養剤を付ける場合もあります。

 

クリープ化

髪の毛を乾燥させます。ドライヤーやローラーボールと呼ばれる機械を使い髪の毛の水分を無くすのですが、時間を放置するだけ。というお店もあります。

 

2液と呼ばれる酸化作用のある薬剤を付ける

この薬剤を付けることで1液で切断した結合をもうもう一度結び直し、ロッドで巻いた状態の”跡”を定着させることでウェーブやカールを定着させます。

 

流してトリートメント処理

最後はシャンプー台で2液も流して終了

 

工程はほとんど変わらない

いかがですか?黄色い枠で囲った部分が通常のパーマと違う部分です。

見て頂くと分かると思いますがほとんど通常のパーマと工程が変わらないのが分かると思います。

 

唯一の違いは1液と2液の間に乾燥や時間を置くかどうかの違いです。

 

クリープ化で何が変わる?

クリープとは:【creep】の意味は「ゆっくり歩く」「のろのろ歩く」などの意味があります。

 

「パーマとなんの関係があるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、これは1剤で行った『還元反応』と2液で行う『酸化反応』との間にタイムラグを挟むことによって、急な変化をさせない。という意味なのです。

 

髪内部のコルテックスという間充物質の移動を穏やかにすることで髪の毛への負担を減らす作用があるのです。

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クリープパーマの誤解と注意点

クリープパーマは途中に乾燥を挟むことで「還元」→「酸化」の反応を穏やかにする効果があります。

 

これだけ聞くとなんだかいいイメージなのですが、基本的には「普通のパーマ」と変わりません。

そのため注意点も多々ありますのでご注意ください。

 

持ちが良くなることが考えられるが、そこまで極端ではない

クリープパーマをしらべた時に真っ先に目に飛び込んできたのが「普通のパーマに比べてクリープパーマは1.5倍持ちが良くなる!」という内容。

 

確かにパーマのかけ手(美容師側)によっては2か月の持ちが3か月半になることも考えられなくもないですが、正直1.5倍はさすがに過大評価です。

そこまで極端には変わらないと考えた方が良いです。

これだけ見ると『クリープパーマは普通のパーマよりも1.5倍持つ』ようなイメージが生まれますが、工程はあくまで普通のパーマなので全員が全員1.5倍持ちが良くなることはありません。

 

縮毛矯正毛、デジタルパーマ後の毛にはかからない

通常のパーマの場合、縮毛矯正もに行っても大したウェーブやカールにはならず、むしろ傷んだりチリチリになったりの等の事故が起きる可能性があります。

それはクリープパーマも同様です。

基本的な考え方、工程はあくまで普通のパーマと同様なので縮毛矯正毛に行うと手触りが悪くなったり失敗の原因になりますので注意しましょう。

そして同じく熱処理を行ったデジタルパーマも同様です。

 

薬剤はあくまで普通のパーマ時のもの

「クリープパーマの時は特別な薬剤を使う」ということはありません。あくまで工程が同じように、使われる薬剤も普通のパーマと同様のものです。

 

あえて「クリープパーマの時はこの薬」と決めているお店もあるかと思いますが、それは単にこだわりを見せているだけで使われるのはあくまで普通のパーマ剤です。

 

エアウェーブとは違う

エアウェーブも基本的には普通のパーマと作業工程は同じです。

しかし途中でエアウェーブ専用の機械を使うことで、超強力なクリープ化(ガラス化とも言われる)を髪の毛に起こします。

これは専用の機械がないとできないものです。

 

クリープ化という共通点はありますが、似て非なるもの。

 

エアウェーブの場合ドライヤーで乾かすとウェーブやカールが出てきますが、クリープパーマの場合は普通のパーマ同様ドライヤーで乾かすとウェーブやカールは弱くなります。

 

乾燥時の熱でかかり過ぎる可能性も

クリープパーマのもう一つの注意点としては、乾燥時の熱で1液の反応が強くなる可能性がある。ということ。

 

確かに中間水洗で1液は流しますが、全部は流しきれません。そしてパーマの薬剤は温度が高くなると髪への負担や反応強くなるので、乾燥時の熱を計算に入れてクリープ処理を行わないと、かかり過ぎたり余計なダメージの原因にもなります。

 

これはお客様がどうのというよりは美容師側の熟練度が問われる注意点ですね。

 

クリープパーマで紹介されている写真がコテを使ったものがあまりに多い

「クリープパーマのスタイル」として紹介されているものの多くが「単にコテで巻いてあるだけ」のものがあまりに多いです。

これは見る人が見れば分かります。が、素人の人は「これがクリープパーマなんだ…」と誤解するだろうからなぜこんなことがまかり通っているのか不思議でなりませんが。

 

クッキリしたカール感があり、「モデルさんで撮影しました!」というような写真は十中八九コテで巻いてあるスタイルです。

「クリープパーマを行えばこのようになる!」と誤解しないようにしてください。イメージとは違う仕上がりになります。

 

まとめ

クリープパーマは、個人的には好きな施術です。

還元までの間に時間や乾燥を置くことで確かにパーマの持ちが良くなります。

ただ、あまりににも極端な過大広告はどうなんだ?と感じます。

 

クリープパーマは9割側普通のパーマと変わりません。そのため仕上がり自体もほとんど同じ。

もしクリープパーマということで特別高料金になっているのならちょっとどうなんだそれは。と感じてしまいますが、こだわりで行うパーマとしては賛成です。

ただ熱によるかかり過ぎもあり得るので美容師側の勉強も必須になるかと思います。

 

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