市販セルフカラーのやり方と注意点 髪のダメージを最小限にする方法

このページでは、セルフカラーを安全に、ダメージを最小限に行うための手順やポイントなどを紹介します。

 

自分でいつでも染められるセルフカラー。

美容院と比べるとかなり安いので、お金をかけずに染めたい人にも便利なアイテムです。

 

ただし、手軽にできる反面、注意しなければいけないこともあります。

そして、使い方を間違えると必要以上に髪を傷めてしまうことにもなります。

 

私は以前、市販のヘアカラーも扱う美容室に勤めていたこともあるので、その経験を活かして紹介しますね!

 

スポンサーリンク

セルフカラーの種類

ドラッグストアやスーパーなど、どこでも買うことができるセルフカラー。

髪に合わせて種類もたくさん用意されています。

 

クリームタイプ

市販ヘアカラー1剤と2剤

昔からあるオーソドックスなタイプ。

「1剤」と呼ばれる、アルカリ剤や酸化染料が入った薬と、「2剤」と呼ばれる過酸化水素水を混ぜ合わせて作ります。

 

ひと昔前は、プラスチックトレイに出して混ぜ合わせるものが多かったです。

最近では、

クシノズル

このようなノズルを先端に付け、押すとクシの先から薬が出る便利なものも登場しました。

とかしながら楽に塗ることができます。

 

ジェル、ジャムタイプ

1剤と2剤があり、基本的にはクリームタイプと中身は同じです。

ジェル状なので柔らかく伸びがいいのが特徴。

細かい塗り分けは大変ですが、広い範囲に塗りたいときに便利なタイプです。

 

泡カラー

「1剤」と「2剤」を容器の中で混ぜ合わせると、モコモコの泡になるタイプ。

セルフカラーの中でもっとも伸びが良く、セミロングほどまでの長さであれば1本で足りてしまいます。

 

ただ、クリームタイプに比べると薄付きになってしまい、ムラにならないよう全体に塗る必要があります。

 

スポンサーリンク

セルフカラーで用意するもの

基本的な用意するものは説明書にも書いてあります。

しかし、説明書には載っていないけどあったら便利なものも含めて紹介します。

 

ヘアカラー剤

ファッションカラー、ブリーチ、白髪染め、マニキュアなどいろいろあります。

求める髪色に合わせて選びましょう。

メッシュやハイライト、根本だけを部分的に染めるのであればクリームタイプ。

根元から毛先まで全体を染めたいのであれば泡カラーが塗りやすいです。

 

ヘアカラーを塗るハケつきのクシ

ヘアカラーブラシの写真

ほとんどの場合ヘアカラーについています。クシ形ノズルの場合は必要ありません。

買うときに箱の裏面などにどんな道具がついているか確認しましょう。

 

中にはハケやカップを用意しなければいけないものもあります。

 

ヘアカラークロス(ケープ)

ヘアカラークロスの写真

お風呂場で染めるのであれば必要ありません。

着ている洋服にヘアカラーがつかないようにしてくれる薄手のクロスです。

安いものであれば100円均一でも買えます。

 

汚れてもいい服

部屋で染める場合、クロスの中に着るのは汚れてもいい服を着ましょう。

クロスで守ったつもりでも、思わぬところに飛び散ります。

染まると色は落ちなくなるので、捨ててもいい服が望ましいです。

 

捨ててもいいタオル最低2枚

1枚はクロスの上から肩にかけクリップで止めます。(なければ輪ゴム)

タオルをかけてクリップで止める写真

こんな感じ。美容院でのヘアカラーはこのスタイルが基本。

クロスの上にヘアカラーが落ちると、しずくのように下に垂れてきます。

それを防ぐためにもタオルを乗せるとさらに汚れにくくなります。

 

もう1枚は、油断して飛んでしまった薬を拭く用。

ヘアカラーは床や壁について時間が経つと発色してしまいます。

できるだけ早い段階で拭き取るためにも1枚あると便利です。

 

ヘアカラーがつくとタオルに色がつきます。洗っても色は落ちません。

毎回捨てる必要ありあせんが、汚れても問題ないタオルを使いましょう。

 

新聞紙

お風呂場で染めるなら必要ありません。

部屋で染めるときは前もって床に広めに敷いておきましょう。

ヘアカラーは細かく飛び散るので、フローリングや畳、じゅうたんなどを汚してしまうので注意が必要です。

 

ヘアクリップ

ヘアクリップの写真

ダックカールとも呼ばれるヘアクリップです。

ベリーショートなら必要ありませんが、邪魔な部分をわけとるのにとても便利です。

100円均一にも売っています。タオルを止めるのとは別に3~4個セットあればいいでしょう。

 

目の大きなクシ

目の大きいクシの写真

髪の毛が絡んでしまった時に便利。なくても大丈夫です。

薬が髪につくと、目の細かいクシでとかしにくくなります。髪をむりにとかして傷ませないためにも目の大きいクシを使いましょう。

 

初めて染めるときはパッチテストをしよう

ヘアカラーには「ジアミン」や「アルカリ剤」などに反応するアレルギーが起こる可能性があります。

 

特にジアミンアレルギーは呼吸器系に関わるアレルギーで、我々美容師もヘアカラーの時には常に注意しています。

初めてヘアカラーする際は、パッチテストを行うことで安全に染めることができます。

 

パッチテストのやり方

使う予定のヘアカラーをトレイやお皿などに出します。(綿棒で取れればいいのでほんの少しでいい)

1剤と2剤があれば混ぜ合わせます。

 

混ぜ合わせたものを腕の内側(写真の〇部分あたり)

腕の内側

に綿棒で薄く付けます。その後30分ほど放置して乾燥させます。

もし乾燥しない場合は付けすぎなのでティッシュなので軽く拭き取ります。

 

パッチテスト当日は入浴ができません。やむを得ない時はテスト部分を濡らさないようにします。

 

チェックするのは付けてから30分後と48時間後の2回。

赤みや発疹、かゆみなど皮膚に異常がないか確認し、問題がなければそのヘアカラーを使うことができます。

 

正しい方法はコチラのサイトが分かりやすいです。

Henkel皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の手順

 

スポンサーリンク

セルフカラーのダメージを最小限にする方法

セルフカラーを行うときは必要以上の傷みに気を付けましょう。

もっとも大切なのは「時間を無駄に置きすぎない」ということ。

 

時間を置きすぎない

セルフカラーを塗る時に誰もが「しっかり色が入ったほうがいい!」と考えますよね。

何回も繰り返すと値段も高くなってしまいます。

 

しかし、ヘアカラーは混ぜてから40分ほどすると染色能力が弱くなります。

アルカリ性の薬が酸素によって酸化してしまうためです。

 

しかし、髪の毛に負担をかける成分はそのまま。

髪についている間はダメージを与え続けます。

 

「色がこれ以上はいらないのに髪だけ傷んでいく」こんな状態が起きるので時間の置きすぎはおススメできません。

 

放置する時間の目安はパッケージに書いてあります。

書いてない場合も、40分ほど置けば十分。

「もったいないから」と2時間も3時間も置くと必要以上に髪を傷めてしまいます。

 

ヘアカラーが髪に付いたら無理にとかさない

市販のヘアカラーはマニキュアなど特殊なもの以外は「アルカリカラー」というアルカリ性のヘアカラーです。

 

ヘアカラーが髪につくと、アルカリ性の効果で髪のキューティクルが開きます。

キューティクルが開いた髪は無防備。刺激に対してとても弱くなります。

 

この時に、ヘアカラーを全体になじませるためにと梳かしすぎてしまうと髪が一気に傷みます。

 

目の細かいクシは刺激が強いので、目の大きなクシでやさしく丁寧にヘアカラー伸ばすようにしましょ。

絡んだからと言ってガシガシ無理にとかしてしまうと枝毛の原因になります。

 

セルフカラーのやりかた

セルフカラーの基本的な塗り方についてです。

染まりやすい、そまりにくい部分の説明や、キレイに塗るための細かい方法は

コチラを参考にしてください。

 

今回はあくまで初心者向けの基本的なやり方についてです。

ヘアカラーの前、ヘアカラー中

ヘアワックスなどは落としておこう

洗い流さないトリートメントであればついていても大丈夫ですが、ヘアワックスやハードスプレーなどスタイリング剤が髪についていれば前もって落としておきましょう。

 

ワックスがたくさんついていると塗ったときに絡みやすくなります。

簡単に塗りやすくするためにも髪はできるだけ自然な状態にしておきます。

 

濡らすか乾いている髪に使うか

塗れている髪に使うか、乾いている髪に使うかはヘアカラーの種類によって違います。

 

クリームタイプは軽く濡れていると塗りやすく、泡カラーは乾いた髪の毛が塗りやすいです。

 

クリームタイプは硬さのある薬です。髪の毛に水分があると伸びがよくなります。

逆に泡カラーはもともと水分が多く、濡らして使うと泡が消えたり、しずくが垂れて塗りにくくなります。

 

濡らして使うときは、霧吹きやシャワーで濡らしてから、タオルでしっかり拭きっとった状態がベスト。

しずくが垂れるぐらいだと濡れすぎです。ヘアカラー薄くなってしまいます。

 

ただし、すでに髪の毛がかなり傷んでいる髪は、濡らすと引っかかりやすくなります。

 

濡らすとクシが梳かせなくなるような髪は乾いている状態で使いましょう。

 

室内で染めるなら新聞紙を敷いてクロスをつけよう

部屋の床やカーペットなどにヘアカラーが飛ぶと色がついてしまいます。

新聞紙をしいて、汚れてもいい状態を作ります。

 

服を着て行う場合はヘアカラークロスをつけましょう。

付け方は

ヘアカラークロスの準備写真

この写真のように

  1. タオルを首にまく
  2. ヘアカラークロスをつける
  3. 汚れてもいいタオルを肩の上にかけてクリップでとめる

これは美容院でも実際に使われるクロスのかけ方です。

しっかりクロスがとまるので、洋服が汚れにくくなります。

 

根元にたくさんつけすぎない

頭皮から約1㎝までは体温の影響で染まりが良くなります。

頭皮近くの根本も毛先も同じように塗ってしまうと、根本だけが明るくなったような失敗が起きやすいです。(通称逆プリン)

 

はじめは頭皮の近く1㎝を塗らないか、うす付けにし、5~10分ほど置き時間差を付けて塗るとキレイに濡れます。

泡カラーは塗り分けにくいですが、意識するだけでも違います。

 

細かい対処方法はコチラ

を参考にしてください。

 

ただし、根本をしっかりと染めたい白髪染めはまず初めに根本から塗るようにしましょう。

 

時間を置きすぎない

さきほども触れましたが、時間を無駄に置きすぎるのはやめましょう。

ヘアカラーは40分ほどすると染色能力が弱くなります。

 

しかし、髪を傷め続けるので「これ以上染まらないけど傷み続ける」となってしまいます。

市販カラーのパッケージに目安の時間が書いてあるはずなので、目安を守るようにしましょう。

 

ヘアカラーが終わったら

2回シャンプーがおススメ

セルフカラーの後は2回シャンプーしましょう。

ヘアカラーは残ると皮膚刺激につながります。必ず完全に落とさなければいけません。

  1. 全体にシャワーでしっかりとすすぐ
  2. シャンプーをつけて、髪の毛を中心にしっかりと揉み洗い(頭皮をゴシゴシ洗いしない)
  3. 一度すすぐ
  4. 2回目のシャンプーで頭皮も髪もしっかりとシャンプー

この洗い方でヘアカラーもしっかりと落ち、頭皮の洗いすぎを避けることができます。

 

コンディショナーやトリートメントをつけよう

セルフカラーには付属でトリートメントがついているものもあります。

もしついてなくても、コンディショナーやトリートメントは必ず付けましょう。

 

市販のヘアカラーにはゴワゴワしやすくなるのもあります。

髪の状態を良くしておくことで色持ちを良くする効果もあります。

 

髪の毛はしっかり乾かして寝る

髪の毛が濡れたまま寝てしまうと、表面を守るキューティクルが傷ついてしまいます。

キューティクルが損傷すると、髪の内部からヘアカラーの成分が流出しやすくなり色落ちも早くなります。

 

夜髪を洗う習慣のある人は、ドライヤーで完全に乾かしてから寝るようにしましょう。

 

スポンサーリンク

お得に選ぼう市販のヘアカラー

クリームタイプを買うときは、内容量を確認しよう

市販のヘアカラーを買うときに注目したいのが、内容量です。

ヘアカラーの内容量の写真 ヘアカラーの内容量の写真

たとえば、この2枚の写真の下線部分。「グラム」が書いてあります。

両方とも1剤が「40g」と2剤が「80g」です。

合計120g。

買うときは、この「グラム」ができるだけ多いものがおススメです。

 

100gだと少なめ。部分的に塗るのはいいのですが少し不安。

120gで平均。130g以上で多めなのでゆったり塗れるという目安です。

 

内容量が少ないと、途中で「足りなくなった」となりやすいです。

もし量が少なくて安いのであれば、2個買いという方法も賢いですね。

 

ブリーチは抜けの良いものと悪いものがある

ブリーチ剤は髪を明るくしたり、透明感を出すために便利。

ブリーチ選びに気を付けなければいけないのが、抜けの良いものと悪いものがあるということ。

 

ブリーチはクリームとパウダータイプに分かれていて、パウダータイプのほうが抜けがいいです。

しかし、パウダータイプの中でもさらに抜けの良いもの悪いものと分かれているので、少ない本数でお得に使うためにも抜けのいいものをおススメします。

created by Rinker
ワイエス パーク プロフェッショナル

コチラは市販の中でも抜けのいいブリーチです。

 

セルフカラーでの注意点

アレルギーには細心の注意

パッチテストもそうですが、ヘアカラーの際はアレルギーに注意が必要です。

代表的で重症化しやすいのが「ジアミン」という成分に反応するアレルギー。

 

顔がはれたり、赤み、かゆみ、呼吸器系に異常が現れるなどの症状が起きます。

2日ほど空けて症状が悪化するのが特徴。

新しいヘアカラーを行う前はパッチテストを行うと安全です。

 

そして、花粉症と同じでいつ発症するかわからないアレルギーなので、毎回油断せず慎重にヘアカラーを行いましょう。

 

ジアミンアレルギーの方はジアミンの使われていないマニキュアカラーなどを使う必要があります。

 

他にも、塗りはじめてから30分ほどでピリピリした痛みやかさぶたなどになる「アルカリアレルギー」などがあります。

 

壁やお風呂のタイルについたらすぐに取る

ヘアカラーは付いてから時間が経つと壁やお風呂場のタイルにまで色がついてしまいます。

壁や床などに飛んでしまったらすぐに拭く。お風呂場であればシャワーなどで流すようにしましょう。

 

お風呂場であれば、カビキラーを使うと落ちやすくなります。

床や壁に使うと漂白されてしまうので注意。

 

美容院でパーマをかけた直後に行わない

美容院でパーマかけたてでセルフカラーをすると落ちやすくなってしまいます。

 

パーマをかけてから2日~一週間は不安定な時期。

クシでとかしただけでも落ちやすくなってしまうので、最低1週間は空けてから行いましょう。

 

その時は毛先はクシでとかして伸ばさず、揉みこむようにつけると伸びにくくなります。

 

マニキュアカラーは頭皮につけない

ジアミンにアレルギーがある方、皮膚の弱い方向けのマニキュアカラーがあります。

マニキュアカラーは頭皮への安全性は高いのですが、皮膚についてしまった瞬間染まってしまうデメリットがあります。

ついてしまうと2~3日はとれないので、地肌から離して使いましょう。

 

ほとんどのものは作り置きできない

セルフカラーはほとんどのものが使い切りタイプです。

1剤と2剤を混ぜることで発色しますが、30分~1時間もすると染める力が弱くなります。

 

数回に分けて使えるのは、缶に入っているタイプ(分けて使えると書いてある)や、1剤と2剤を全部使わずにとっておけるタイプです。

 

泡カラーなど、すでに混ぜたものを数日後に使おうと取っておいても、染められないので気を付けてください。

 

コンディショナーやトリートメントをつけよう

市販のヘアカラーは美容室で使われるものよりも髪への負担が大きいです。

というのも、2剤で使われる過酸化水素水には濃度の種類があります。

濃度には6%~1.5%ほどまで。

 

濃度が高いと髪の毛へ入り込みやすくなりますが、髪の毛への負担も大きくなります。

 

美容院では毛先のすでに染まっている部分は3%など濃度の低いもので使い分けるのですが、市販のヘアカラーはすべて6%です。

 

新しく生えた髪にはちょうどいいのですが、すでにヘアカラーされている部分には負担が大いです。

手触りを改善させるためにも、ヘアカラー後のコンディショナーやトリートメントはしっかりと行いましょう。

 

まとめ

今回はセルフカラーの方法やポイント、注意点やダメージを最小限にする方法を紹介しました。

安くお得に使いたい気持ちは誰でも一緒ですよね。

 

しかし薬剤選びから塗り方、放置時間まで自己判断です。

なによりもまず「安全第一」で使うことをこころがけましょう。

 

 

スポンサーリンク

セルフカラーをする女性
最新情報をチェックしよう!