セルフカラーを成功させる頻度の目安を美容師が解説

「セルフカラーをすると髪にダメージが…」「白髪染めはどれくらいの頻度でやるのが正解?」

そんな悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか?

物価高の世の中で美容院のコストも気になるもの。自宅でヘアカラーを楽しむ人が増えています。

でも、正しい頻度やケア方法を知らないと、髪や頭皮に負担がかかってしまうことも。

この記事では現役美容師の私が仕事の経験や知識を活かして、セルフヘアカラーの頻度やダメージを抑えるコツを、分かりやすく解説していきます。

 

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1. セルフヘアカラーの頻度はどのくらいが適切なの?

セルフヘアカラーの適切な頻度は、目的や髪の状態によって異なります。

  • 白髪染めのペース
    白髪が気になる方は、1カ月に1回程度のリタッチが理想的です。特に生え際や根元が目立ちやすいので、こまめなケアが必要です。
  • ファッションカラーの頻度
    全体染めは2カ月に1回を目安にしましょう。短い期間で髪全体を染めてしまうとダメージが蓄積し、髪のツヤが失われてしまいます。
  • ヘアマニキュアやカラートリートメントの場合
    ヘアマニキュアやカラートリートメントは髪の毛に負担がかかりません。
    そのため気になった時に使うと良いのですが、頻度が多すぎるとコストが高くなってしまいます。
    1ヵ月に1回ぐらいを繰り返すのはコストバランス的にもおススメです。
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全ての市販カラーにおススメ 月1回リタッチ染め

白髪染め、オシャレ染め、ブリーチ、ヘアマニキュアなどすべての市販カラーにおススメしたい染め方が、

月に一回、目に見えて気になるところの根本だけを染める」という方法。

伸びた部分だけを染めるのを「リタッチ染めやリタッチ」といいます。

順を追ってわかりやすく説明しますね。

1ヶ月ごとのリタッチが大切な理由

我々美容師の世界でも意識されることなのですが、髪の毛が1~1.5cm以上伸びているか、いないかでヘアカラーの染め方や難易度が全く違ってきます。

 

これは体温が影響しているため。分かりやすく絵で説明すると、

ヘアカラーリタッチ部分

 

このイラストの□で塗っている部分は、頭皮に近い髪の毛です。

この場所は、体温の影響を受けやすく、薬の反応が強くなるという特徴があります。

 

こちら側から見て右側は、黒い部分が長くリタッチ部分が2~3㎝以上伸びてしまっている状態。

そのまま黒い部分を塗ろうとすると、

リタッチ部分の説明イラスト

 

このイラストのように、根本の近くは明るく染まり、少し離れた部分はやや暗い。という通称「逆プリン」という失敗が起きてしまうのです。

 

美容室では、この染まり方の違いを考慮して薬剤の種類を変えたり、塗りタイミングを変えてキレイに染めます。

 

しかし、市販のヘアカラーは1種類しか入っていませんし、塗り分けは技術的に無理。

それをクリアした塗り方が「1ヵ月に1回リタッチ部分を塗る」という染め方なのです。

これならば体温の影響も均一なので、ムラになりにくくなります。

 

見える部分だけ塗るとダメージを防げる

美容師がお客様の髪を染めるとき、傷みに合わせて薬の強さを変えます。

毛が伸びてきている部分は強い薬で、でもすでに傷んでしまっている毛先は弱い薬でという具合です。

 

しかし、市販のヘアカラーには「強い薬」の1種類しか入っていません。

 

もしこの薬で毎回髪全体を染めていると、毛先がどんどんボロボロになっていき、限界を超えるとチリチリになったり切れてしまいます。

 

これを防ぐために「市販のヘアカラーは目で見て気になる根元だけ染める」にすると、毛先が今以上に傷むのを防ぐことができます。

 

セルフブリーチの塗る場所

具体的には、このイラストの、オレンジで塗りつぶしている部分。

白髪染めもオシャレ染めもブリーチもマニキュアも全てです。

 

目で見える範囲ならば自分の手で届きやすく塗りやすいので技術的にも簡単です。

 

おいおい それじゃキレイにならないのでは?

今説明したセルフカラーの塗り方ですが、この塗り方だと

セルフカラーで塗りにくい部分

実はこのイラストのオレンジ部分は全く染めないことになります。

ということは、根元の暗い部分は伸びていく=キレイにならない ということですね。

そうです。

むしろそれでイイんです。

 

「セルフカラーで、ダメージを少なく全体をめてなおかつキレイに1色にする」というのはほぼ不可能だと思ってください。

知識のある美容師が自分でやっても無理です。

 

なので、大切なのはあくまで「次に美容室でキレイに染めてもらうまでの応急処置」という染め方です。

 

あっちもこっちも染められていると直しにくい

セルフカラーをされている髪の毛というのは、基本的にムラになっていることがほとんどなので、美容師も直しが大変なのです。

しかし「顔回りしか染めていません」「上の生え際しか染めていません」のように、セルフカラーしている部分としていない部分がハッキリしていた方が直しも簡単です。

 

セルフカラーのあと美容室で染めるときは「大体○ヵ月ぐらい前に、生え際と分け目をセルフカラーしました」みたいに伝えるようにしましょう。

美容師さんも薬剤の判断をしやすくなります。

 

セルフカラーをしたら一週間はパーマ類を避けて!!

中にはヘアカラーは自分でやるけど縮毛矯正は美容室に行く、という方いるはず。

縮毛矯正以外にも、デジタルパーマや普通のパーマなど全てのパーマ類は、セルフカラー直後にしてはいけません。

 

どんなに短くても2~3日。せめて1週間以上は空けてから美容室にいかないととんでもない大事故に繋がります。

 

ヘアカラー直後は傷みやすい

ヘアカラーをした直後の髪の毛には「残留アルカリ」といって、アルカリ性の成分が髪に残っています。

 

この残留アルカリは、パーマ類に含まれる同じアルカリ成分と混ざると力が極端に強くなるという特徴があります。

 

上半分セルフカラー

例えば、このイラストの〇の部分のように上半分だけをセルフカラーしたとします。

そしてセルフカラーの翌日に美容室に行き縮毛矯正をかけます。

 

このとき美容師さんにセルフカラーしたと伝えず、美容師さんもそれに気が付かった場合、

この〇の部分の髪の毛は他の部分と違いとてつもなく傷み、ヒドイ状態になるとチリチリになります。

 

この大事故を防ぐために美容室での同時施術は必ずと言っていいほど縮毛矯正やパーマを先に行います。

 

もしセルフカラーをしたら、必ず1週間ほど時間を空けてからパーマ類を行うこと。

そして美容師さんにもセルフカラーしたことを伝えることを忘れないでくださいね。

 

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 市販のヘアカラーの種類と選び方

  • 泡カラー:初心者におすすめですが、根元や細かな部分染めには向きません。
  • クリームタイプ:髪全体を塗るには量が少ないですが、今回紹介した1ヵ月に1回根元染めをしやすいです

 

泡カラーを行うときは揉みこむように付けるので髪の全体を染めることになります。

毛先への負担を考え、どんなに短くても2ヵ月に1回を目安に染めましょう。頻度が多すぎると根本はキレイになっても毛先がボロボロになり本末転倒です。

 

クリームタイプのように、ハケやブラシでピンポイントで付けられるヘアカラーは1ヵ月に1回、根本の黒い部分染めがおススメ。

髪が伸びてしまって塗る部分が多くなってしまうと逆に使いにくくなることもあるので、その時は無理せず泡カラーを使うと楽ですよ。

 

もし使い方に疑問がある場合はコメント欄からご質問いただければ回答させていただきます。

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