このページではシャンプーなどに含まれるラウロイルサルコシンTEAについて紹介します。
ラウロイルサルコシンTEAとは?
ラウロイルサルコシンTEAとは、アミノ酸洗浄成分の中では洗浄力が強く殺菌作用のある成分です。
常温では無色~淡黄色透明液体。陰イオン界面活性剤です。
化粧品表示名:ラウロイルサルコシン-TEA
医薬部外原料規格名:ラウロイルサルコシンTEA
英語:TEA-LAUROYL SARCOSINATE
と表記されます。
商品名としてはソイポン SLTA(川研ファインケミカル株式会社)があります。
ラウロイルサルコシンTEAは別名としてN-ドデカノイルサルコシンTEAとも言われています。
ラウロイルサルコシンTEAの特徴
ラウリン酸とサルコシンと、トリエタノールアミンの化合物でアミノ酸系洗浄剤の一種。
用途は幅広く、洗顔クリームやボディソープ、化粧品、家庭用洗剤、歯磨き粉などにまで使われています。
泡立ちのよさから起泡剤としても使われます。
歯磨き粉には殺菌成分として配合されることが多い成分でもあります。
サルコシンの別名はN−メチルグリシンであることからグリシン型と呼ばれることもあります。
「アミノ酸系」と聞くと優しい印象ですが、かなり個性的。
脱脂力が高く、殺菌力まであるので肌の弱い方は様子をみながら使うことが大切です。
もしピリピリした刺激を感じるなら、ムリに使わないようにしましょう。
体質によっては刺激が強くなりますが、安全性は高い成分。
しかし、頭皮や髪に残りやすくふけやかゆみの原因になることもあります。
すすぎをしっかり行い、完全に流すことが大切です。
ラウロイルサルコシンTEAの毒性と安全性
ラウロイルサルコシンTEAは、環境中の微生物・酵素の働きによって最終的に無害な物質まで分解される成分です。
28日後には80%以上分解される物質であることが確認されており、環境への影響は少ないことが知られています。
しかしながら、急性期には藻類、魚類、甲殻類に対して毒性を示したデータもあることから水棲生物への影響を考えなければなりません。
完全なエコロジーとはいいがたいですね。
動物実験での毒性試験はラウロイルサルコシンNaとしてLD50:> 5,000 mg/kgでありこれは毒性がないのと同じことを示しています。
毒性数値は食塩以下。特に注意する必要はありません。
その他の動物実験の結果では、5%濃度溶液によるパッチテストの結果から皮膚感作性は認められず、また皮膚刺激性もないことが示されています。
眼刺激性は、5%濃度溶液では2時間でいくつかの角膜刺激が観察されましたが、これらの影響は数日以内に消え、角膜の損傷も認められませんでした。
そのため5%濃度以下の使用で若干の眼刺激性が認められています。
微生物を使った遺伝子変異性(発ガン性の指標の1つ)の検査では、negative(陰性)であり、問題なしと報告されています。
まとめ
- 高脱脂と殺菌作用によって、人によっては刺激になることもある
- アミノ酸洗浄成分とはいっても、皮膚に残りやすいのですすぎをしっかり
- 無害に分解されるが、海藻類には短期的に毒性があることも
- アレルギー検査などは基本的に安全性は高いといえる