「美容師になろうか迷っている…」
「美容師に転職しようかな…」
「美容師になっておけばよかったかな…」
こんな悩みを持っている高校生や大学生、社会人の方はいるのではないでしょうか?
大切な将来の進路や気になっていた夢。実際に美容師をやってみたことがなければどんなものか分からないのが普通ですよね。
進路選択の時に、美容師になることに対して「昔かずっと夢だった!迷いはない!」という方は羨ましい限り。私は美容師になるのに本当に迷いました。
進路を決めなければいけない時期が高校生という、まだ子供の段階で人生を決める決断をしろだなんて正直酷な話ですよね。
周りに美容師の知り合いなんていない。同年代に相談しても意味がない。美容師さんに聞いても本音で話してくれない…
自分の将来を決める問題。少しでも参考になればと、私が約15年美容師を続けて来て、色々な美容室をめぐって感じた美容師のリアルをお伝えします。
これから美容師になろうか迷っている。美容師を続けていいのか迷っている。という方に少しでも参考になればと思います。
美容師のリアル
迷いますよね。だって人生に関わることですから。
このページでお伝えするのはキラキラした美容師象で「美容師サイコウ!」なんてものではありません。
本当にリアルな部分です。
もちろん夢や希望を抱いて進路を決めるのも大切ですが、必ずやいつかは”現実”が訪れます。
その時の覚悟を早いうちにしておく意味でも知っておいて損ではないと思いますよ。
それに美容師が気になっていた。と言う人も、「こういう世界なのか」というのを少しでも感じて頂けたらなと。
皆さんが気になるであろう美容の仕事を1つ1つピックアップし、それについての回答をしていきます。
給料面、休日、人間関係、将来などなど色々な部分を紹介しますね。
私自信様々な美容師の形態を体験してきたのでそれらの経験を踏まえて紹介しますね。
美容師の給料
生活に関わることなので、知っておかなければいけない部分です。
夢も大切ですがある意味最も重要。特に働き始めは大切なことですね。
初任給は低い
美容師の働きはじめ。1年生の頃は正直かなり給料が低いと感じる人がほとんどのハズです。
極端な例かもしれませんが、私の1年目初任給は、保険などを差し引いて手取りでもらった時に10万以下でした。
家賃もあるのにどう考えたって足りない…明細を見た瞬間の冷や汗を今でも覚えています。
しかも美容師が練習するための道具や、ウィッグ(マネキン)等は全て実費。ただでさえ低い給料から絞り出さねばならず、
都内の一部美容室では面接のときに「親化から仕送りはもらえますか?」と聞かれるお店もあるそうです。
美容師の1年生と言うのは自分でお金を生み出すことができないアシスタント。勉強をさせていただいている。という考えがないと割りきれなかったりしますね。
もちろん大きい会社としての美容室に入れば、各種保険もしっかりしているので不安に感じることが少ないと思いますが、それでも他の仕事の平均からすると低いですね。
スタイリストになってからはお店次第
たくさんお客さんの指名を得て仕事ができるようになったからの給料の変化は、勤めているお店次第です。
どんなに指名のお客さんが多くても、一定値までのしか給料が出ない。と言うお店もあれば、売り上げの値によって給料が大幅アップする。なんてお店もあります。
都内の一等地の美容室では、スタイリストのほとんどが年収1千万越え。なんてお店もあるようですし、どんなに仕事しても年収300~400万。というお店もあります。
前者の方は成果によって給料が上がるのは確かですが、生き残り競争に負けてしまえばクビになる。というシビアなものだったり、一定の給料しか出ないけど働きさえしていれば生けていける。というお店もあったり本当に様々です。
メディアに出て活動する人もいる
東京など大都市限定かもしれませんが、様々なメディアに出て美容室の仕事以外でお金を稼ぐ方もいます。
テレビに出たり、美容師向けの講師をしたりヘアメイクとしての撮影に協力したりなどなど。
外部での給料の金額は本当に人それぞれですね。
以前仕事していた美容室のグループ内の人の中には、外部講師としての仕事と美容師としての給料が同じぐらい。
トータル月の給料が200万ほど。なんて人もいました。
もちろん自分自身の知名度を上げなければいけないので、普通に仕事をしているだけでは無理。誰よりも頑張る必要がありますね。
カット系サロンは給料が少し高い
1000円カットで仕事するなんてやだな~なんて思う人もいるかもしれませんが、実はオシャレなサロンよりも1000円カットなどの安売り店の方が給料が平均して高いです。
それに美容師も年齢が高くなってくると若い美容師さんにお客さんを回さなければいけなかったりで、仕事がなくなってそのままカット系美容室で仕事する。という方もいますね。
独立するための資金を貯めたくて安売り美容室で一時的に。という方もいました。
1000カットができ初めの頃は本当に高く、カットできる能力があれば多くの人が毎月50万超えの給料をもらっていた時代もあったようですが、今ではそこまで高いお店はほとんどありませんね。
「結婚をしたけどオシャレ美容室だと給料が不安定なのと時間を作れないから」とい理由の人もいたり本当にさまざまです。
美容師の人間関係
良く言われるのは、美容師は女性が多い職場だから人間関係が大変。というもの。
実際昔私もイジメにちかいようなことはされていました。
直接イタズラをされたわけではありませんが、仲間内のグループ全体で避けたり悪口をいわれたりなど。大人でも平気で小学生みたいなことをする人は沢山います。
大人数の美容室ではもしかしたらそういうこともあるかもしれません。
ただし、人数が多くなれば多くなるほど気の合う人もできるので、一概に悪いとは言えません。
美容師はメンタルが強くないとやれない。とも言われますが、やっているから強くなる。ということもあります(笑)実際私がそうでした。
人の反応を気にしなくなるようになったり、人間関係の付き合い方が上手くなる人もいたりと色々ですね。
極端な話、自分が仕事をできるようになってさえしまえば誰も何も文句を言えなくなりますよ。
逆境も「よし!頑張ってやる!」って思えていいのかもしれませんね。
人数の少ない個人店では大人数でのイジメみたいなのはないですが、気の合わない人だらけだった場合ちょっとまずいですね。
美容師がキライになる前にお店を変えてしまうことをおススメします。
美容師の移転は簡単 転職は難しい
あまり知られていませんが、美容師の需要度はかなり高いです。誰にでもできるわけではない仕事ですし、素人さんは絶対に真似できない。
「今はうちは新しいスタッフいらないよ」というお店は少なく、「美容師は常に募集している」というお店がほとんどです。
そのため美容室をやめたからといっても次の働き口は他の職種よりも見つけるのがはるかに簡単。
アシスタントでも必要とされますし、技術をもっているスタイリストなら尚更ですね。
もちろんお店によって年齢が高すぎと難しい。というサロンもありますが、選ばなければ働き口は全国そこら中にあります。
40歳50歳になって「はぁ突然リストラされてしまった…」となっても結構平気。というのは美容師の強いところですね。
もちろん年齢が高ければ「美容師免許をもっているだけ」では難しいのでキチンと技術を持っているのが前提です。
知り合いには美容師免許を持ったけど他の職種で仕事し、30ぐらいになってから美容師1年生。なんて人もいましたね。
美容師の休日はどのくらい?
美容師の休日はお店によって本当にバラバラ。
特に意識の高い美容室に勤めた場合、働き始めのころの休日はほとんどない。と言ってもいいぐらいです。
講習や勉強など、休日出勤の日が多いのです。
「オシャレサロンで働きたい!」と言う人はある程度覚悟していきましょう。
講習や勉強会の多くないお店なら、「休日は休日」で完全に休ませてくれるお店もたくさんあります。
ただこれは正直働いてみないと何とも言えませんね…
面接で「休日は休んでいいですか?」と聞くのもいいと思いますが、「(仕事する気あるのか?)」と思われたら落とされる可能性大です。
デリケートな質問なので慎重に。
事前にお客さんとしてお店に行って美容師さんにさりげなく聞くのが良いかもしれません。
そして、一般職の方が経験できるような長期休暇はほぼ無理。と思ってください。
ゴールデンウイークに1週間休み、正月に長期連休などなど。
3連休が取れればかなり珍しいです。1週間単位の休みなど、新婚旅行のためなど相当に特別な理由がないかぎり無理です。
海外旅行へ行きたいけど時間が取れない…と考えている美容師さんはとても多いです。
美容師の将来
美容師の将来は男女にって大きく違います。
男性の方は美容師を続けて独立される方が多いですね。ずっと雇われたまま続けていく…という人は稀。
大きな会社としての美容室なら、運営か裏方に回ったりする方もいます。
結婚をして子供ができて、その時の美容師の給料じゃ面倒見れないから…と全然関係ない仕事をする方もいますし本当に様々です。
飲食やアパレル、工場で働く人もいます。
というのも、美容師は美容師免許は持っていますが、それ以外に資格がない人がほとんど。大卒資格も当然ありません。(たまに持っている人いますが)
美容師免許は美容師をしない人にとっては無意味。まだ普通運転免許の方が役に立ちます。
資格の必要ない、ある程度給料の保証されている…となると転職できる職種は限られてしまいますね。
女性は結婚して出産する時に一度美容師を離れます。
そのまま辞めてしまう人もいますし、子供があずけられるなら仕事に復帰する人もいます。
子供が大きくなって復帰。という方もいますね。
結婚、出産までにある程度技術を身に付けて置いた人は戻ってくるし、カットができないアシスタントだった人は戻ってくる人は少ない…こんな印象です。
女性美容師は需要があるので復帰もしやすいですね。
ヘアメイクやブライダルの道に進みたい
周りでも何人かいましたが、「美容師になりたいんじゃなくてヘアメイクの仕事をしたい!」「ブライダル関係の仕事がしたい!」
という方も中にはいるかと思います。
美容師免許を取ってからそれぞれの仕事を目指すかと思いますが、いきなりどちらかの道にいくのではなく、まずは数年美容師になることをお勧めします。
これは美容専門学校の先生もほとんど同じことを言うと思います。
ヘアメイクやブライダルの道で成功してほしくないからこんなことを言うのではなく、どちらの仕事も一生の仕事にするには本当に狭き門だからです。
それなら、失敗してしまった場合に、気が変わってしまった時に美容師に戻って来れる技術を初めに身に付けて置く。という意味です。
通信で美容師免許を取る人は美容室に勤めなければいけないので、専門学校を出る人ですね。
実際にヘアメイクの仕事をしている方から聞きましたが、ヘアメイクだけで食べていける人は本当にごくわずかだそうです。
なんだかんだ色々なひとの”ツテ”で仕事先を紹介してもらって…というヘアメイクさんが大多数。
メディアに出たり有名になれば別ですが、それ以外の多くのヘアメイクさんは美容師の仕事をしつつヘアメイクの仕事をしている。という方も多いそうです。
いきなりヘアメイクとして仕事を始めても技術もない人に任せてくれる人はいません。
有名な人に弟子入りしたとしても給料は一体だれが払ってくれるのでしょうか。
それなら美容師として仕事をしつつ、ヘアメイクの勉強をして、自分で仕事を見つけたり撮影に協力したりなど方向性を柔軟にする方が安全です。
ブライダルも同じ。ブライダル関係ということは結婚式場ではたらくということ。
美容室の数に比べて結婚式場の数はとても少ないです。
当然雇ってくれる人数も少ないので、就職口が少ないのです。
雇う側も全くの素人を雇うよりも美容室での仕事経験があった方が信頼できます。
美容室によってはブライダル関連に力をいれているお店もあるので、そういった美容室に始め勤め、勉強しつつ結婚式場での仕事も探す。顔を売る。という方法の方がいざいというとき路頭に迷わなくて済みます。
離職率9割の現実
美容師の離職率は9割と言われています。
専門学校や通信課程などから美容師になる。そして10年後、美容師を続けているのがたったの1割しかいない…
はじめ専門学校時代にこの話を聞いたときに、「いやいやそんな少ないわけないでしょ。もっとたくさん残るよ」と思いましたが、美容師を続けて10年以上。実際この話が本当だと周りをみていて痛感しました。
もちろん辞めざる負えないといったしかたない人もいますし理由は様々ですが、美容師として残るの1割です。
ただ、この話良く誤解されやすのですが、「才能がある1割が残る」のでがありません。「辞めなかった人が残る」のです。
美容師は才能がなくたってできます。というかあんまり関係ありません。事実私が才能0だったのに続けています(笑)
逆に才能の塊だったような人があっさりやめてしまったり。
離職質が確かに高いですが、身に付けば一生食べていける仕事だということをぜひ忘れないでください。
私自身、「あの仕事をしていたら今頃自分はどんなだったのかな~」と気になったりしますが、いま現在こうして色々な人に美容のコトを伝えることができるようになったキッカケである美容師。
今いる環境をどう活かすのかが大切なのかな。と思います。
まとめ
- 美容師の初任給は低い。スタイリストになってからの給料はそのお店と本人の頑張り次第。美容師以外の外部の仕事で稼ぐ人もいる。
- 人間関係は人数が多くなればトラブルが起きることも。ただそれは美容師に限った話ではない。合わないな。と思ったら美容師を辞めてしまう前にお店を変えてしまおう。
- 美容師の需要はかならずあるので、技術を身に付けてしまばお店を変えることは簡単。
- 休みの多い美容室が良ければ意識の高い美容室は諦めて。勤め始めは講習や勉強でつぶれてしまうことを覚悟して仕事しよう。
- 美容師の将来は男性なら独立か裏方。もしくは転職。女性なら出産と同時に辞めてしまうか、技術があれば美容師に戻ってくる人も多い。
- 美容師の離職質は確かに高いが、身に付けば一生の仕事
ひとまずはこんなところですね。気になることがあればページのコメント欄から質問頂ければなんでも答えますよ。
返信は結構早いです。