お願いですから子供のシラミには気付いてあげてください…
仕事をしていて何とも憤りを感じることがあります。
それはシラミを見つけた時。
子供は髪の毛と頭皮がかゆくてボリボリ掻いている。
私がシラミを見つけて「かゆくない?」と聞くと「かゆい…」と返事。
髪をいじっているとは言え、ほんの数分前に会った自分が気付くのに、なぜそれまで親が気付いてあげれていないんだ?と…
必ず子供は親に対しても「頭がかゆい」というのを訴えていたはずです。なぜ分かってあげれていなんだろう…
「子育てで忙しい」のはわかりますが、子供のサインに気付いてあげて…
頭のシラミ
シラミとは
シラミという言葉。幼稚園や保育園、小学校などで時々流行します。
シラミとは:アタマジラミ 毛ジラミ コロモジラミのこと。
小さな虫で、他の人への感染力が高いのが特徴。
成虫になると、頭皮を始めとする幹部の皮膚の血液を吸うので、強いかゆみが起き湿疹などを発症する場合があります。
アタマジラミ
・体長2~4mm
・髪の毛の接触によって移る。子供たちの間で広まりやすいのがこのシラミ
毛ジラミ
・体長1~2mm
・アタマジラミよりも大きさが小さい。陰部などに発生しやすい
コロモジラミ
・体長2~4mm
・衣類の縫い目などからうつるシラミ
シラミは髪の毛のある所に巣食う小さな虫。
幼稚園、保育園、小学校など、集団行動が多い場所で発生しやすく、小さな子供達を中心に感染が広がりやすいのです。
昼寝の時間、普段の接触、プールなど様々です。
そして同じく大人も注意が必要。
シラミは感染力が非常に高く、一緒に共有したタオル、衣服、寝具などなどから大人に対しても移ります。
自分たちが移ってしまって頭のかゆみでようやく気付く。という人もいます。
子供たちの頭皮の異常に気付いてあげられずに、家族で感染が拡大していくのです。
シラミの寿命
非常に感染力の高いシラミですが、寿命は約4週間ほどと決して長くはありません。
しかし人間の皮膚から吸血することで成長し、髪の毛に卵を硬く定着させることで何らかの対処をしないかぎり永遠と繁殖を繰り返します。
そして髪の毛から離れてしまったシラミに関してはさらに寿命が短く、早ければ数時間。三日もあればあほとんどが死滅します。
子供は”シラミ”を知らない
気を付けなければいけないのは、子供たちは『シラミ』という存在を知りません。
頭が異常にかゆくても何か病気を疑うという知識がないため、「頭がかゆい」で終わってしまいます。
大人であれば、今まで経験したことのないかゆみを経験するため”病気を疑う”という知識がありますが子供はそのようなもの持ち合わせていないのです。
つまり親や大人が気付いてあげる他ないのです。
そしてシラミは病気ではなく、虫が原因なので自然に治癒しません。数が多くなればなるほど頭皮をかじったりする割合も多くなるのでかゆみは増します。
何らかの打開策を打たない限り髪の毛の中で繁殖を続けます。
成虫を倒しても卵が残る
シラミは薬用製品の「スミスリンシャンプー」や「スミスリンパウダー」を使って駆除する方法が最もオーソドックス。
しかし、シラミの卵は非常に根強く髪の毛に残ります。
髪の毛に付いたガムが硬くなったような、セメントがついて固まってしまったようなイメージをして頂くと近いかもしれません。
ちょっとやそっと引っ張っただけでは取ることが出来ない程協力に髪の毛に付着する為、スミスリン系駆除剤を使う場合は、卵がふ化してから成虫に育たないように、1日2日で終わらせないように注意が必要です。
シラミの原因
人間のシラミは人間から
アタマジラミや毛ジラミは人と人との接触。もしくは間接的な接触によって移ります。
動物にもシラミが発生することがありますが、動物のシラミが人間に移ることはありません。
一口に『シラミ』と言っても実は世界には1000種類程存在します。
ペットに寄生するシラミは、イヌジラミやイヌハジラミ。ネコハジラミなど人間に寄生する種類とは全くの別種。
そしてシラミは「宿主選択性」という規制主を選ぶ性質があるため、人間に移るシラミは人間からしか移らないのです。
枕 タオル 寝具からの感染
アタマジラミの場合、非常に多いとされる感染経路が枕やタオル、寝具などの間接的接触です。
シラミの卵や成虫が枕やタオルについてしまっていて、それに気付かずに使っていた家族や周囲の人の頭についてしまい感染してしまう。というもの。
シラミを駆除する方法
シラミを治す、駆除する方法はいくつかあるので紹介させていただきます。
ちなみに、「シラミだから皮膚科に行かなきゃ!」という気持ちもわかりますが保険は効きません。
なぜならシラミというのは虫であって、”病気”ではないからです。
皮膚科に行ったとしても保険適用外。市販薬であるスミスリンシャンプー、もしくはスミスリンパウダーを渡されます。
スミスリンシャンプー等は個人でも買えるので、すでにシラミと分かっているのであれば無理に行く必要はありません。
もちろん確認や診断のために受診する意味はあると思いますが。
ではそれぞれシラミを駆除する方法を紹介させていただきます。
髪の毛を無くす
つまり、ボウズにしてしまうことです。
シラミは髪の毛に卵を産み付け、繁殖し続けます。しかし言い換えれば髪の毛がない所では生活できないため、極端な話しらみのいる髪を全部無くしてしまえばシラミは生きていけないので治ります。
髪の毛がない環境だと、早ければ数時間、三日間ほど放置すると全て死滅するのです。
が、学生や小さな男の子なら可能かもしれませんが、女の子や女性が丸坊主にしろといわれたら無理ですよね?
そのためこの方法はかなり極端な方法と言えるでしょう。
シラミ取りブラシを使う
非常に目が細かく作られているブラシです。
シラミの体長よりも細かいブラシの目なので梳かすだけでシラミを頭から取ることが出来ます。
シラミをとりあえず取り除くという即効性は高いので1本あると便利です。
ただし、卵に関しては非常に硬く髪の毛に張り付いているのでブラシでは取り切れません。
非常に目が細かいので髪の毛が乾いていると引っ張られて痛いです。
髪の毛が濡れている状態の時に頭全体を梳かしてあげましょう。
シラミの成虫が出てくるので他の人に移らないように注意してください。
コチラが代表的なシラミ駆除ブラシ
スミスリンを使う
「スミスリンシャンプー」「スミスリンパウダー」など様々な製品がありますが、『ピレスロイド系フェノトリン』という成分の効果でシラミを駆除することが出来ます。
スミスリンシャンプーの場合は、普段通りのシャンプーを行っていただき、頭に泡を残した状態で5~10分ほど放置します。
シラミの卵がふ化することを考え、2日置きに3~4回、もしくは7~10日使い続ける使用方法が一般的です。
スミスリンパウダーの場合も基本的な有効成分はスミスリンシャンプーと同じ。
頭にパウダーを振りかけて時間を置きます。ただ、製品によっては一時間ほど放置しなければいけないようなものもあるので、使用方法は良く確認しましょう。
皮膚科医の方の中には、スミスリンシャンプーを紹介してくれる方と、「効きにくい」という方といらっしゃるようです。
というのも、スミスリンシャンプーを使った駆除方法は最も手軽で代表的な駆除方法なのですが、多くの方が使うため、スミスリンの有効成分に対して耐性(薬が効かない)のあるシラミが登場し始めたのです。
耐性を持っているシラミの場合は効かないので、使って様子を見てみて効かないようなら他の方法に切り替えましょう。
スミスリンは使いたくない人も多い?
スミスリンシャンプー、スミスリンパウダーの有効成分であるピレスロイド系フェノトリンという成分は、一般的な農薬や殺虫剤にも使われるような薬品。
ちなみに有名な殺虫剤「アースジェット」にも入っています。
そのため「子供の頭に使いたくない…」という親御さんも多いようです。確かに印象は悪いですよね。
肌が敏感だったり、弱い人の場合は刺激があることもあるようですが、「シラミを駆除するため」の使用目的程度であれば特に人体への問題はないようです。
ただし、とにかくしっかり流すなどは必要かと思います。
シラノンを使う
スミスリンが殺虫剤にも使われる『ピレスロイド系フェノトリン』が有効成分なので使いたくない…
という方のために開発されたのが『シラノン』という製品。
シラノンは「シラミノンノン」という製品がリニューアルしたもの。内容成分が『天然鉱物抽出ミネラル』や『天然植物エキス』など天然由来の成分だけで作られているようです。
そのため人体への影響もスミスリンよりはるかに安全性は高いです。
ただし、このシラノンはシラミを駆除するのではなく、『シラミの成長を止める』のが目的。
卵からふ化し、成長が止まってしまえば次の産卵が出来なくなります。そして結果的にシラミは頭から無くなりますが、難点として時間がかかってしまうというデメリットがあります。
シラミンを使う
シラノンと似ている名前ですが全く違うものです。
個人的にはこの方法が一番おススメです。ただ価格もそれなりに…
というのも、ピレスロイド系フェノトリンを有効成分にしたスミスリンシャンプーやスミスリンパウダーは残念ながら『シラミの卵』に作用してくれません。シラノンも同様です。
今現在ふ化しているシラミに対しては駆除できますが、植え付けられている卵のふ化を待って再度駆除する必要があるのです。
そしてシラノンに関しては安全性が高いとはいえ、時間がかかってしまう。
これらのデメリットをすべて解消したものが『シラミン』なのです。シラミの成虫も卵も駆除できます。
安全性の高さから、陰部に発生する毛ジラミ駆除にも使えるようです。
ただ、基本的に海外からの輸入になるようです。そのため通常の店舗には置いていないようで、ネット通販を使うにしても少し時間がかかるようです。
ただ、家族の人に移る可能性も考えると一本あると安心できるかもしれませんね。
それに最短一回(20分)でシラミの成虫と卵両方駆除できるのは魅力です。
シラミンにはシャンプーとローションがありますが、初めはローションによる直接駆除。そして残ったシラミと卵をシャンプーで駆除&殺菌。という使い方の様です。
まとめてみた
スミスリン(ピレスロイド系フェノトリン) | 殺虫成分でシラミを除去 シラミの神経系に作用 スミスリン耐性のあるシラミも報告されており、耐性がある場合は駆除できない | 卵に作用しないためふ化を待つ必要がある。 有効成分の人体への影響が心配(?) 2~3日置き、もしくは毎日トータル7~10日経つまで使う |
シラノン | 天然成分由来で安全性が高い 赤ちゃんに使うには安全 シラミの成長を阻害 | 卵には作用しない 駆除が目的の成分ではないため即効性はない |
シラミン | 天然成分由来で安全性が高い 陰部に発生する毛ジラミにも効果がある。 卵も駆除できる 最短一回で駆除できるが、一応7~10日使うことが推奨 赤ちゃんにも安全 | 海外輸入なので、注文してから少し時間がかかる |
シラミの予防方法
アタマジラミは間接的な感染に要注意。
非常に良くある感染方法として、小さいお子さんが幼稚園、保育園などでシラミに感染してしまい、寝具を一緒に使っていた家族まで感染してしまう。というもの。
もしもシラミに感染してしまった人が家族に一人でもいたら自分自身にも注意しておかないと、さらに感染を拡大してしまうことになる可能性もあります。
入浴後のタオルや枕に付いたシラミの卵や本体は少し払った程度では取ることが出来ません。
爪でしがみついたり、卵に至っては非常に強い接着力があります。
衣類、枕やシーツなど寝具、タオル、は熱湯もしくは乾燥機で駆除
シラミは髪の毛が触れるであろう場所に接触することで感染するので、衣類、枕、タオルについてしまった(かもしれない)シラミは間接的な感染を止めるためにもしっかりと駆除が必要です。
熱湯消毒
衣類は難しいですが、タオルやシーツなどであれば熱湯消毒が簡単。
温度は60℃以上に5分浸けることでシラミは駆除できます。(理想は10分)
60℃のお湯を入れてしまうと時間が経って温度が下がってしまうので、入れ替えるか60℃よりやや高い温度で浸けてあげましょう。
卵も死滅します。
消毒が終わったら、洗濯をするか、流して乾かし死骸を掃除機などで取りましょう。
乾燥させる
乾燥は高温の風を当てるので、乾燥機にかけることでもシラミを駆除できます。
乾燥機の場合は70℃以上で10分程度。60℃で30分程度が目安で熱湯消毒よりも少し時間がかかりますが、コインランドリーやご家庭の乾燥器でも出来るので難しくはありません。色落ちも気にしなくて済みます。
コインランドリーなら大型も布団も駆除可能です。
熱湯と同じく卵も死滅します。
同じく最後は死骸を掃除機で吸い取りましょう。
ちなみに、カバーをかぶせて使う布団乾燥機等の場合、多くのメーカが「吹き出し口付近が最大温度70℃」のようなので、コインランドリーや洗濯機の乾燥器の方が満遍なく乾燥させることが出来ます。
ご家庭の洗濯機に付いている乾燥機であれば、ほとんどの会社の設定温度が70~90℃なので、シラミを駆除するために十分な温度が出るはずです。
子供のシラミを放置しない
滅多にいないと思いますが、「どうせまた移るから」や「放っておけばいなくなるでしょ」という考えで子供のシラミを放置する人も稀にいるようです。悲しいことですが。
確かに、再度移る可能性は否定できませんが、シラミが髪の毛にいる限り家族や周囲の方にも感染が広がる可能性は非常に高いです。
そして「放置」という判断が一番の間違い。
シラミは放置すると、増えることはあっても自然にいなくなることはありません。
お子様のためにも一刻も早く対策、駆除をしましょう。
まとめ
すでに感染してしまった場合、代表的な駆除方法は
- シラミ取りブラシである程度取り除く
- ブラシで取りきれないシラミは、スミスリン、シラノン、シラミン等で駆除する。
この方法で駆除できます。
そして再感染や拡大を防ぐためにも
寝具やタオルに隠れている卵やシラミを、熱湯消毒や乾燥機を使った乾燥でしっかりと駆除を行い、死骸は掃除機で取る。
ということが重要です。
余談…と言いますかお願いに近いですが、シラミに感染したまま美容室や理容室に行くのはやめましょう。(というか、やめてください)
もしもシラミを持っている方を担当した場合、美容室理容室側は使ったタオルやクロスは全て捨てなければいけません。(熱湯消毒するところもある)
そして、使用したハサミ類、そのた道具も全て熱湯消毒する必要があります。
当然消毒の間ハサミが無くなってしまうので人を切れなくなります。
消毒をしっかりするのであり得ないですが、他の方への感染の可能性も0ではないです。
美容師、理容師も人間なので良い顔をされない場合もあるでしょう。今後行きにくくならないためにもキチンと駆除してから髪を切りに行くことをおススメします。
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