市販で売っているヘアカラーを買ってきてセルフカラーする。自分の時間が空いた時にできて経済的。
でもキレイに塗る方法って誰も教えてくれませんよね。さすがに美容師に聞くのも何か違う気がしますし…
そこでこのページではそんな便利な市販のカラー剤でセルフカラーを
できるかぎりキレイに塗る方法を紹介させていただきます。
他にも、セルフカラーの時のちょっとしたポイントも紹介します!
「自分でカラー剤を買ってきたけど、キレイに塗る方法が分からない!
「ムラをできるだけなくして染めたい!」
という方はきっと多いはず。
さすがに美容室でヘアカラーをするのと同じレベルでは難しい。
しかしポイントやコツを押さえておくと、自分で塗った時に差が出ますよ!
泡カラーもクリームタイプも両方紹介させていただきます。
セルフカラーでキレイに染めよう
みなさんはどんな理由で市販のヘアカラーを塗りますか?
- お金を節約したい
- 美容師が塗っているのをみると自分でもできそう
- 美容室に行く時間が無い
みなさんいろいろな理由があると思います。
しかし、一見美容師がただ薬を塗っているように見えるヘアカラー。
薬の強さや塗り始める場所など、実は色々なことを考え抜いたうえで塗っているのです。
美容師がヘアカラーを塗る時に考えていること。それこそがヘアカラーをキレイにぬるコツです。
市販カラーの準備
「市販のヘアカラーをする時は前もってシャンプーしたほうがいいの?」
という疑問を良く聞きます。
市販のヘアカラーをする時は、前もってシャンプーする必要はありません。
シャンプーで頭皮の皮脂を取ってしまうと、皮膚への刺激が多くなってしまうのでむしろしない方がいいです。
ただし、ジェルやワックスなどがベタベタに残っている場合はヘアカラーが塗りにくくなってしまうので、
サッと軽めにシャンプーしてから塗りましょう。
染まり易い部分染まりにくい部分
人間の髪の毛には、染まり易い部分と染まりにくい部分があります。
人間の髪の毛は、生えている部分によって髪の太さや本数が違います。
髪が太く本数の多い部分はヘアカラーが染まりにくく、本数が少なく細い毛は比較的染まりやすい。
という特徴を覚えておいてください。
毛が太く染まりにくい部分
人間の髪の毛で一番染まりにくい部分が襟足です。
襟足の毛というのは他の部分に比べて太く、本数がとても多いです。
美容師がカラーを塗る際、この襟足から塗り始めているのに気付いた方はいるでしょうか?
この理由は、染まりにくい部分を先に塗る事で時間差を利用し、最終的に均一になる様に塗っているのです。
毛が細く染まり易い部分
人間の髪の毛で染まり易いのが顔回り。特におでこの角、生え際のうぶげなどです。
この部分はとても髪の毛が細くて柔らかいです。
そのためヘアカラーも染まりやすい部分です。
美容師はこの顔回りを塗る際は一番染まり易いので基本的に最後に塗ります。
先に塗り始めてしまうと、どんどん明るくなるので他の部分の明るさが追いつかなくなってしまいます。
ただし、白髪染めの場合は顔回りの白髪を良く染めるためにあえて最初に塗る場合もあります。
これは、白髪がきちんと時間を置かないと色が入らないという特徴があるためです。
そして顔回りとは別に、「分け目」や「つむじ周辺」も比較的染まり易い部分になります。
体温
体温をしっかりと考えることもキレイにヘアカラーをぬる大切なポイント。
体温を無視して考えるとカラーは絶対にキレイに染めることができません。
体温の影響を受けやすいのはアルカリカラー。
市販で販売されている白髪染めやオシャレ染めなどの大半がこのアルカリカラーです。
マニックパニックなどのような塩基性染料。酸性染と呼ばれるへマニキュアや、カラートリートメントは体温の影響を受けにくいですが、市販で売られているほとんどのカラーはこのアルカリカラーです。
ちなみに泡カラーはすべてアルカリカラーです。
アルカリカラーは、『温度が高いと強く反応する』という特徴があります。
美容室でカラーを塗った後にローラーボールという髪全体を温める機械を使う美容師もいますが、それはカラーの反応を早くしたり強めるために使います。(本来薬事法では温めるのは禁止)
人間には体温があります。みなさん大体36度前後だと思うのですが、この温度でもカラー剤の反応を強めるのには十分な温度。
体温の影響のせいで、頭皮から1㎝ほどの距離まではカラー剤の反応は強くなるのです。
キレイに塗りたいのであればこれは必ず頭に入れておきましょう。
「セルフで黒髪にカラーを塗ったら、なぜか根元だけ明るくなってしまった。」ということはありませんか?
それは根元付近が体温によってカラー剤の反応が強くなり他の場所に比べて明るくなってしまいっているのです。
キレイに染めるためには、この体温の影響を計算にいれ、はじめ根元の部分は塗らずに時間を置き、
5~10分ほど時間をずらして根元を塗る。
と言う染め方をするとキレイに染められます。
ラップで包んで放置する
美容室でカラーをする際、時間を置いている間はラップで頭を包まれたことはないでしょうか?
「レンジでチンでもされるの?」
いいえ違います。ラップで包むのはいくつか理由があります。
①温度を一定にする
体温で根元が染まりやすくなることは説明させていただきましたが、ラップでつつむことによって体温の影響を多少均一化できます。
ラップで包まれている中が体温の影響で暖められて、包んである場所全体が少し暖かくなるのです。
もちろん根元と同じ温度になるわけではありませんが、10分以上置く場合はラップで包んだ方がキレイに仕上がります。
②酸化しにくくさせる
アルカリカラーは、『還元』という作用を利用して髪の色を染めます。
しかし空気中には酸素があり、還元作用をスムーズに行うには都合が悪いのです。
ラップで包んで酸素に触れさせないことでヘアカラーの反応をよくすることができるのです。
③余計な場所に薬が付かないようにする
美容室で染めている間は動くことがないと思いますが、お家で染めている間はもしかしたら動き回るかもしれません。
シャンプーする場所に移動する間や、ふと頭がかゆくなった瞬間指で掻いてしまったり。
そんな油断した瞬間に余計な場所にカラー剤が付かないようにするためにもラップで包んであると便利です。
と、これらの理由で美容師はカラー後にラップで頭を包むのです。
専用のラップ?と思われるかもしれませんがご家庭にあるサランラップで全く問題ありません。
格好のいい容器に入っているものもありますが、実は美容室のも中身は全く同じただのラップです。
具体的な塗り方の説明 ~明るくする、明るさは大体同じ編~
まずは髪の毛を現時点より明るくする。もしくは大体明るさはそのままにする。という場合の染め方の説明から。
完全に地毛(黒髪)の状態と、カラーの履歴があり毛先が明るくなっている髪の毛を染めるとでは方法が異なります。
黒髪(地毛)を染める
一番分かり安い例として、全くカラーがされていない髪の毛を染める手順から説明させていただきます。
地毛の黒髪の状態を、茶色くする。という場合です。
塗り方
先ほど説明させていただいた、「染まりにくいえりあし」から塗るようにしましょう。
もしえりあしから塗るのが難しければ、せめて後ろ半分の髪の毛を塗るように意識してください。
順番
①まずは髪の毛全体をクリップで四分割に分けます。これが基本の形。
泡カラーの場合も、同じように行います。
そして塗る順番を分かりやすくするために
写真のようにABCDと分けます(Cの逆側がDです)
②初めに塗るのは、AかBの下のあたりから。
体温で反応することを考えて1.5~2㎝頭皮から離してカラーを塗ります。
この時点でカラー剤を根元まで付けてしまうと、体温の影響で先に明るくなってしまい修正ができなくなります。
「逆プリン(根元が金髪)」というような呼ばれるような状態。決してキレイではありません。
えりあしあたりを塗ったらそのまま少しずつ毛を分けて降ろし、『A』『B』の部分を上の方まで塗ります。分けた上の毛はクリップで止めると簡単です。
③塗り終えたら『C』『D』の部分を塗ります。
A,Bと同じように必ず根元を空けるように塗りましょう。
そのまま上の方まで塗っていき、最後に前髪も塗ります。
終わったら5分ほど時間を置きましょう。
④5分おき終えたら今度は根元の方も塗ります。
順番はさきほどと同じように、『A』『B』の下側から順に上まで塗り、その後『C』『D』を同じように下から上の方に塗っていきます。
⑤パッケージの説明にある時間を置き、発色の様子をみてシャンプーして終了です。
髪質によっては色が出やすい、出にくいという差があるので、部分的に薬を取って様子を見ながら色を確認しましょう。
5分間あけるのは、染まりやすい根元と時間差を作るためです。
根元が少し(1~2㎝)伸びている状態をセルフで明るく染める
塗る順番は先ほどと同じですが、根元を外して塗る必要はありません。
根元も毛先もまとめて『A』『B』から塗りその後『C』『D』を塗りましょう。
写真のように下から塗る方法は変わりません。
毛先がすでに明るく、根元が暗い。
ということは、全部同時に塗っても根元が明るくなることでちょうどよくなります。
もちろん時間を置きすぎると根元が染まりすぎてしまって逆に明るくなることもあるので必ず様子を見ながら時間をおいてください。
根元が3センチ以上伸びている状態でセルフで明るく染める
申し訳ありませんが根元がかなり伸びている場合は、セルフカラーでムラなくキレイに塗ることは諦めてください。
ほぼ間違いなくカラーの染まり具合による段差はできます。
どうしても技術が必要になってしまうのです。
ただ、それでも”出来るだけ”ムラが少なくなる塗る方法を紹介させていただきます。
本来髪の毛の根元がかなり伸びている髪の毛を美容師が染めるときは、体温の影響を受ける1~2㎝を外し、さらにすでに染まってしまっている部分を除いた残りの黒い部分を一番最初に塗ります。
どう考えてもセルフでは難しいですよね。私が自分の頭を塗るとしても無理です。
10㎝20㎝と極端に伸びていればできなくもないですが、3、4㎝~7、8㎝ぐらいだと塗り分けるのはほぼ不可能です。
この状態の髪の毛を”できるだけムラにならない”ようにするためには
①まずは他の塗り方同様に根元を空けて塗ります。
塗る順番も同じです。
そしてできるだけ意識して根元を開けた部分~すでに染まっている部分の間の毛に薬剤を多く付けるように意識してカラーを塗ります。
このイラストのように意識してカラー剤を髪の毛につけます。毛先も一緒に塗ってしまって構いません。
全体塗り終わったらまた5分ほど時間を置いて、根元を塗り始めます。
終わったら発色を見ながら確認して終了です。
セルフカラーで暗くする
先ほどまで紹介させていただいた方法とは違い、今度は髪の毛を暗くする方法です。
ヘアカラーで髪の毛を暗くするときは明るくするときと少しだけ違います。
明るくするときよりは簡単ですね。
黒染めする
根元が伸びていて、毛先が明るくなっている髪の毛を黒染めをする。
黒染めを考えているのであれば髪の毛はこのような状態だと思います。
黒染めは、すでに地毛が伸びていて黒くする必要がない場所に付ける必要はありません。
目標が地毛の色だと思うので、地毛の部分を無駄にダメージさせる必要はないのです。
髪の毛を傷ませないためにも、『必要ない場所には黒染めのカラーは付けない』ということは大切です。
塗り方は先ほどの『A』『B』『C』『D』の順番を守る必要はありません。
暗くしたい部分にキチンとカラー剤が付いていればOKです。
根元が少し(1~2㎝)伸びている状態をセルフで暗く染める
明るくする場合と同じ方法でいいのですが、少し違うとことがあります。
それは根元、毛先関係なく染めるということ。
髪の毛を明るくするときは根元を少しあけて時間差を作ることが大切と説明しましたが、
髪の毛を暗くするヘアカラー剤は、明るくするときほど極端な発色をしません。(明度のことで、色は出ます)
黒染めと違い、暗めのヘアカラーというのは黒髪ならほんの少し明るくする力があります。
根元も毛先もまとめて塗ったとしても、根元はほんの少し明るく。毛先は色が入る。
このような状態になり比較的均一に染まるはずです。
ほんの少し黒髪を明るくする力があることを考えてABから塗りCDを後に塗るようにしましょう。
根元が3センチ以上伸びている状態でセルフで暗く染める
この場合明るくする方法とは順番が異なります。
①まずはイラストのように既にカラーが抜けて明るくなっている部分にヘアカラーを塗ります。
このとき襟足からでも顔回りからでもどちらでも大丈夫です。
地毛が伸びてしまっている部分を外してそれ以外の場所にカラー剤を付けましょう。
②今度は根元を1~2㎝ほど外して中間の地毛の部分を染めます。イラストの②の部分です。
初めに毛先に付けたカラー剤を伸ばしていくようなイメージです。その後5分ほど放置します。
③最後は襟足の方から根元を塗っていき根本全体に付けて終わりです。
薬剤が足りない
泡カラーはほとんどないと思いますが、クリームタイプのカラー剤の場合途中で薬剤が足りなくなるということが結構あります。
というのも、セルフカラーのクリムタイプの薬剤は、殆どが40g~多い物でも60gほどしか入っていません。(ほとんどが40g)
40gだと、よほどのショートの髪の毛以外、髪の毛全部を塗るには足りません。
自身は以前、市販のカラー剤を持ち込んで染めることができる美容室で働いていた経験がありますが、クリームタイプの薬剤は、初めから足りないのが分かっているので染める場合は根元だけ。という前提で染めていました。
それでもかなりギリギリの量
ということは皆さんが使うには間違いなく足りません。
では一体どうすればいいのか。
それは『初めから全部塗ろうとしない』ということ。
クリームタイプの薬剤を使うのであれば、まず薬剤の内容量を確認し、40g程度しかないのであれば気になる部分、最低限の部分を染めることに専念してあげるのです。
(60gの薬剤なら多少余裕があります)
顔周りや、分け目など、目立つ部分を中心に。
「あれ、セルフカラーはえりあしから塗るんじゃないの?」と今まで説明させていただきましたが、それはあくまで”十分なカラー剤の量が確保できている場合”です。
薬剤が足りなければ当然塗りきることができないので、塗りきれない個所が出てしまうことは覚悟の上で染める必要があります。
少しでも薬剤を足らすためには
泡カラーの場合はよほどの長さが無いかぎり足りなくなることは無いと思います。
ただ、泡カラーは界面活性剤を使用しているので髪へ負担はクリームタイプより大きいです。
ダメージを考えクリームタイプを使うときは、『少し水で濡らながら塗る』ことでヘアカラーの伸びがよくなります。
ちょっと良くなる、程度ではなくかなり良くなります。
美容師もヘアカラーを塗るとき、極端に髪の毛の長い方は少し濡らしてヘアカラーを付けることがあります。
水分をあたえることで塗りやすくして、さらに薬を無駄にたくさん使わなくて済むからです。
ここでのポイントは、手で絞って水滴が垂れるぐらいだと濡れすぎ。シャワーなどで髪の毛全体を濡らして、タオルでしっかり水気をふき取る。このぐらいがちょうどいい濡れ加減です。
水が多すぎるとヘアカラー剤自体が薄くなってしまう可能性があるので、守ってくださいね。
縮毛矯正は注意
セルフカラーで、注意しなければいけない髪があります。それは、縮毛矯正をされている方の髪の毛です。ちなみにデジタルパーマも同様。
縮毛矯正やデジタルパーマは、髪の毛に熱の力を与えてかけるパーマです。
縮毛矯正などの熱処理のパーマをした髪の毛というのは極端に明るくなりにくいという特徴があります。
例をあげると、縮毛矯正をしてから5か月ほど経ち、根元が5センチ伸びている髪の毛に対し、カラー剤を根元や毛先関係なく全て同じタイミングで塗っていくと、体温の影響でまず根元1センチが明るくなり、根元程明るくならない髪の毛が根元1センチ~根元5センチの間に現れ、そして縮毛矯正されている毛先は暗い毛のまま。
こんな状態になるのです。
熱のパーマをした髪の毛が明るく何にくい原因についてはまだ完全に解明されていませんが、おそらく縮毛矯正などでキューティクルの状態が変質してしまうからではないか。と考えられます。
ただし、暗くするのは問題なく染まります。
縮毛矯正部分を現在の色より暗くする。というのであれば問題ありませんが、明るくしたい場合は、美容師が美容室のカラー剤を使っても難易度の高い技術なので、セルフカラーは正直オススメできません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
髪の毛を明るくする、暗くするケースに分けてセルフカラーの方法を紹介させていただきました。
説明させていただいた中でも一番気を付けていただきたいのは、根元が明るくなりやすい。ということですね。
逆プリン状態になってしまうと本当に格好悪いのと、直すのも大変になってしまいます。
なので体温に関しては必ず意識するようにしてください。
ヘアカラーはかなり奥深いものです。
正直ここで説明させていただいた内容は、プロの世界では通用しない程度のレベルの技術です。全てを紹介しようとしたら本一冊分になってしまいます。
しかし、「セルフカラーならこのぐらいが技術的に限界じゃないかな」ということを踏まえて紹介させていただきました。
セルフカラーは、一色しか薬が用意されていないのでそもそも完全に一色に塗るには難しすぎます。
かけるお金と求めるキレイさの妥協点を見極めるのも大切ですね。
どうしても完全に均一な色を目指すのであれば、美容室で染めることが一番確かな方法です。
≪関連記事≫
- 「セルフカラーで根元が明るい逆プリンにならない方法 失敗対策」
(セルフカラーで起きやすい失敗の対策方法です) - 「市販カラーでできる 髪の毛をグラデーションカラーにする方法4選」
(市販のヘアカラーを使ってグラデーションカラーを作る方法です) - 「美容室のカラーと市販カラーは同じもの?違うもの?特長を知ってお得に使おう」
(サロンカラーと市販カラーの違いを紹介しています)
合わせて参考にしてください