このページでは、シャンプーや化粧品類に含まれるEDTA-2Naについて
- どんな成分なのか
- 人体への危険性や安全性は?
についてわかりやすく紹介します。
EDTA-2Naとはどんな成分?
一般的な化粧品に配合される場合の名称を「EDTA-2Na」と言います。
消臭石けんやニキビ予防石けんなどの医薬部外品に配合された場合は、「エデト酸二ナトリウム」とカタカナを使って表記されます。
EDTA-2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)の危険性は?
EDTA-2Naとは、多くの化粧品や洗浄製品に含まれている成分で、製品の安定性を高めるために使用されています。
しかしながら、いくつかの疑問や懸念がこの成分に関して上がっています。実際のところ、EDTA-2Naの危険性についてはどうなのでしょうか。
- 肌への刺激: 高濃度で使用される場合、EDTA-2Naは皮膚刺激を引き起こす可能性があるとされています。しかし、化粧品や洗浄製品で一般的に使用される低い濃度では、多くの人にとって刺激のリスクは低いとされています。
- 環境への影響: EDTA-2Naは生分解性が低いため、環境に放出されると、自然界で分解されるのに時間がかかることが知られています。これにより、長期間環境への影響が懸念されることがあります。
- 健康への影響: 現時点での科学的な研究によれば、通常の使用量でのEDTA-2Naによる健康への悪影響は限定的であるとされています。(安全性は高い)
です。
みなさんがシャンプーや化粧品として使う場合は、管理された低濃度で使うため、安全性が高い成分であると言えますね。
化粧品におけるEDTA-2Naの効果や特徴
シャンプーや化粧品に使われた時の主な特徴は
- キレート剤としての働き: EDTA-2Naは、金属イオンと結合する能力を持ちます。これにより、製品中の不要な金属イオンを除去して、製品の安定性を保つ役割を果たしています。
- 製品の保存性向上: EDTA-2Naは、製品のpHを調整することで保存性を高める効果があります。これにより、化粧品の品質を長持ちさせることができます。
- 感触や質感の向上: 金属イオンと結合し、製品中での不要な反応を防ぐことで、製品の感触や質感の向上に役立っています。特に、化粧水や乳液などの液体製品で滑らかな使い心地を生み出します。
- 製品の色や香りの安定化: EDTA-2Naの金属イオンとの結合作用は、化粧品の色や香りが変わるのを防ぐためにも役立ちます。
EDTA-2Naは一般的に、「キレート剤」と呼ばれる成分です。
これは、石けんを泡立てる際に発生する「金属石けん(石けんカス)」を防止する働きを持っています。
日本は世界的に見ても化粧品のクオリティが高い国とされていますが、特にシャンプーやボディソープ・洗顔料などの洗浄剤に関しては目を見張るものがあります。
それには日本の水が軟水であることが関係しています。
ミネラルの含有量が少ない軟水下では、石けんをはじめとする洗浄剤が豊かに泡立ちます。
そのため、アミノ酸系洗浄剤のような「肌には優しいが泡立ちが悪い」洗浄剤であっても、快適に使用することが可能なのです。
特に水質による影響を受けやすいのが石けんで、石けんは水の中に含まれるミネラルと反応して石けんカスを発生させてしまいます。
これによって泡立ちが悪くなるほか、肌に残留すれば刺激やかゆみの原因となってしまいます。
その石けんカスの発生を防止するのが、「EDTA-2Na」のようなキレート剤です。
これによって石けんは安定した泡立ちを保て、快適に使用することが出来ます。
軟水下でも石けんカスが全く発生しないわけではありませんし、日本の場合は温泉地帯が多く、温泉水にはミネラルが豊富に含まれる場合も多くあります。
そのためEDTA-2Naなどのキレート剤は、日本の石けんにも多く配合されています。
EDTA-2Naの毒性や安全性は?
「EDTA」は環境汚染や人体への毒性への懸念から、PRTR法における指定成分となっています。
ただ、こちらのEDTA-2NaはEDTAそのものとは構造が異なり、人体への刺激が少ない、安全性に優れた成分であるとされています。
しかしそうしたイメージの悪さや、多量に使用した場合は刺激が出る可能性も存在することから、EDTA-2Naを配合しない「無添加石けん」も多く販売されています。
基本的にはEDTA-2Naが配合された石けんの方が使用感や低刺激性に優れていると言えますが、どうしても気になる場合は無添加の石けんを選ぶと良いでしょう。
EDTA-2Naと界面活性剤の関係は?
EDTA-2Naはキレート作用のある成分であって、界面活性剤ではありません。
EDTA-2Naは製品内の金属イオンをキャッチする役割を持つキレート剤です。この働きにより、製品の品質や色の劣化を防ぐ助けとなります。
一方、界面活性剤は、油と水という通常混ざり合わないものを結びつける役割を持っています。これにより、シャンプーや洗剤が効果的に油分や汚れを取り除く能力が高まります。
EDTA-2Naは製品の安定性を保ちつつ、界面活性剤は洗浄力を強化する役割を果たしています。それぞれが異なる機能を持ちながら、共に製品の品質を向上させるために活躍しているのです。