このページでは、シャンプーなどに含まれる塩化Na(ナトリウム)について紹介します。
塩化Naとはどんな成分?
一般的な化粧品に配合される場合は「塩化Na」と元素記号表記で、医薬部外品に配合された場合は「塩化ナトリウム」とカタカナ表記で記載されています。
成分の特徴
塩化Naは一般的に「塩」・「食塩」と呼ばれる成分です。
ただ、普段私たちの食卓に並ぶ食塩には、風味を生み出すためにミネラルや旨味成分などが添加されています。
それに対し化粧品に配合される塩化Naは、そうした不純物を除いた純粋な”塩”なのが特徴です。
化粧品に配合される場合の目的には主に2つあり、1つめは「増粘」。
粘度を高めることで手からこぼれにくくなる、泡立てやすくなる等の働きがあり、シャンプーやボディソープといった洗浄剤によく配合されています。
もう一つの働きは「乳化の安定」。
特に「油中水型(W/O型)」といい、油の中に水が分散したタイプの乳化を安定させる作用があります。
W/O型の代表的なものがリキッドファンデーションで、乳化安定剤として塩化Naの配合がよく見られます。
化粧品における代表的な使用法は上記の2つですが、他には「殺菌・引き締め」という作用も有しています。
この場合の代表例は歯磨き粉で、口内を殺菌し、歯グキを引き締めてくれます。
肌に塩化Naを塗り込んだ場合にも殺菌や引き締め、ピーリングといった効果が得られますが、肌への刺激が強いため、ご家庭で行うことは推奨されません。
また、あまり気にする必要はございませんが、石けんを精製する過程でも塩化Naが得られます。
そのため、固形石けんや石けんボディソープ・洗顔料に見られる「石ケン素地」の中には、塩化Naが配合されていると言えますね。
塩化Naの毒性や安全性は?
まず気を付けていただくべき点として、「食べられる物だから肌に塗っても安全」という考え方がしばしば見られます。
しかしこれは全くの誤りです。
食品や化粧品・医薬品の原材料には「グレード」というものが存在します。
塩化Na以外にもハチミツやヨーグルトなど、食品にも化粧品にも用いられるものが存在しますが、これらは同じ名称でも、食品グレードと化粧品グレードで全く異なるものです。
化粧品グレードのものは食品グレードのものと比べ、不純物の除去や品質管理がはるかに徹底されています。
そのため「塩化Naにピーリングや引き締め効果があるから」と、食塩を肌に擦り込むようなことは避けるべきです。
一般的な化粧品に配合された場合での使用では、塩化Naは安全性に問題の無い成分と言えます。