「流さないトリートメントを付けると髪がサラサラになる」
「美容師さんが付けると良いよと言っていた」
「手触りを良くしたいから使いたい」
色々な理由で流さないトリートメントを使う人はいると思います。
しかし、「オイルやミルクとか種類が多くてわからない!」と悩んでしまう人もたくさんいるようです。
洗い流さないトリートメントは大きく分けてオイルタイプとミルクタイプがあります。
オイルタイプは透明でトロトロしている。
ミルクタイプはまるで化粧品の乳液みたい。
一体どちらの方が効果が高いのでしょうか?せっかくなら効果が高いものを使いたいですよね。
このページではそんな
ヘアオイルとヘアミルクの違い、そして髪の毛に合わせたおススメのタイプを紹介させていただきます。
良く聞く、「オイルはシットリ」「ミルクはサラサラ」そして髪身の毛への馴染みかたの違いや効果の違いなど。
これらははたして本当なのでしょうか?
実際に数多の流さないトリートメントを使ってきた専門家ならではの体感、感想を踏まえて違いについて紹介させていただきます。
洗い流さないトリートメント
洗い流さないトリートメントってなに?
洗い流さないトリートメントとはアウトバストリートメントのこと。
Out(外)Bath(お風呂)
つまりお風呂の外で使うトリートメントなので「アウトバストリートメント」です。
シャワーや入浴時に使うトリートメントは『インバストリートメント』と言います。
In(中)Barh(お風呂)という意味です。
濡れている髪の毛に付けて、流さずにそのまま乾かすことで髪がサラサラになったりシットリ落ち着いたりします。
ダメージケアの即効性が高く、付けて乾かすだけで髪の毛の変化がすぐに実感できます。
カラーをしているのが当たり前。パーマや縮毛矯正をされている人も多い現代の髪の毛にはピッタリのトリートメントと言えますね。
オイルとミルクの違いは?
洗い流さないトリートメントは色々なタイプがありますが、一体どのように違うのでしょうか。
ヘアオイルもヘアミルクも見た目が違うということは、中身も違うはずです。
良く聞く洗い流さないトリートメントへのイメージは、
「オイルは油っぽいからシットリするのかな?」
「ミルクは逆にサラサラ?」
このように考えていないでしょうか。
見た目のイメージとしては合っているような気もしますが、これらのイメージは本当に正しいのでしょうか?
先入観で観てしまうと損してしまいますからね。このあたりはハッキリさせましょう。
メーカーの説明はあくまでメーカーの商品だけ
たとえば有名なパンテーンさんの洗い流さないトリートメントの説明を例にあげると
オイル | ツヤ・しっとり感 | 朝夜使える |
ミルク | なめらかで軽い手触り | 夜お風呂上りに |
ミスト・スプレー | ドライヤーやコテの熱から守ってくれる | オイルと併用がオススメ |
ジェル | 枝毛防止 | シャンプー後の引っかかりやすい髪におススメ |
このように書かれています。
これをみると「オイル=シットリ」で「ミルク=サラサラ」ですよね。
しかしこの内容に関しては、あくまでパンテーンさんで販売されている洗い流さないトリートメントを比較しただけの情報でしかない。ということです。
例えばパンテーンさんから販売されているオイルタイプの流さないトリートメントと、別のA社で作られているオイルタイプの洗い流さないトリートメントでは質感も付けたあとの手触りも違います。
ミルクも同じことです。
同じ会社のトリートメントでそろえるのなら参考になりますが、会社や商品が変わってしまうとある程度別物と考えないと、
「あれ?オイルなのにサラサラじゃん!」
「ミルクでサラサラさせたかったのに結構シットリしてペタンコになる!」
このようなミスも起きるので気を付けましょう。
一番の違いは”油”の種類
洗い流さないトリートメントの大切な役割の1つに『髪の手触りの改善』があります。
ツヤ出し目的でつけることもありますが、バサバサ、パサパサ、ギシギシした髪の毛の質感を良くすることが洗い流さないトリートメントでできます。
手触りを改善させるために配合されているのが、『シクロメチコン』や『ジメチコン』といったシリコン剤です。
シリコン剤による手触り改善という点に関しては、オイルタイプもミルクイプもほとんど違いがありません。
もしお家に洗い流さないトリートメントがありましたら裏面の内容成分を確認してみてください。
配合量の多い順位に書かれているのですがシリコン剤の名前が上の方に書いてあると思います。
この写真にも書かれていますが、~メチコンのような文字があればそれがシリコン剤です。
中には植物油などだけで作られているという特殊なものもありますが、かなり少ないですね。
現在売られている洗い流さないトリートメントのほとんどはシリコンによる手触り改善を狙ったものです。
ホホバオイル、スクワラン、ココナッツ、マカダミアナッツオイル等々の植物油だけで作らているのは極わずかですね。
では一体何が違うのか?
それは”油の質”です。
分かりやすく説明すると、オイルタイプは油そのもの。ミルクタイプは油と水を乳化させた(混ぜ合わせた)もので、それぞれに使う油の種類やトリートメント成分が違います。
油の種類や質が違えば髪に使った時の手触りも変わってきます。
オイルタイプ
ヘアオイルは主に配合されているのが植物を原料にした油です。
もちろんシリコン剤も入っています。
・アボガド油
・マカダミアナッツ油
・ローズヒップ油
・オリーブ油
・ツバキ油
・ホホバ種子油
・アーモンド油
・ヒマワリ油
等々、ほとんどの製品に何らかの植物油が多く配合されているのがオイルタイプ。
保護剤や手触り改善の為に配合されている油がもともと透明で、混ぜる合わせるトリートメント剤なども透明なものを混ぜるので出来上がりのオイルも透明になります。
オイルタイプは白濁してしまうものは使えません。
透明感がなくなってしまうとそれは皆さんのか考える”オイル”ではなくなってしまうからです。
使われる植物油はホホバ油を中心に様々な種類の植物油が使われているものもあります。
植物油自体はサラッとした質感になるものが多いですが、その他の配合されている油の種類、数によっては油性が強く、シットリした質感になるものもあります。
”オイルだから”シットリやサラサラに偏る。ということはありません。
オイルタイプの洗い流さないトリートメントの中でもシットリタイプサラサラタイプと別れます。
使われている油の種類によって手触りや質感が変わるのです。
ミルクタイプ
ミルクタイプの特徴は白濁していること。そしてオイルに比べると油分は少ないものが多いです。
オイルタイプと同じように植物油が入っているものありますが、配合量は少ないです。
水と油を乳化させるための乳化剤が配合されています。
ミルクタイプとオイルの違いは、白濁してしまう栄養剤や潤滑剤もトリートメントに混ぜることができるということ。
ミルクタイプはサラサラするという話を耳にしますが、これは水と乳化されている分オイルよりも油分が少ないというのが考えられます。
油性成分が少ないのでサラサラしやすいのですね。
しかし実際に様々なミルクタイプのトリートメントを使って感じたのは、内容成分によってはオイルのものよりシットリするのもある。ということです。
使われている中身によって質感が変わる。というのはオイルタイプと同じですね。
オイルやミルク以外もある
オイルかミルクタイプかで悩まれるか方は多いですが、実は流さないトリートメントの種類は他にもあります。
もちろんそれぞれ特徴も様々
エマルジョンタイプ
ミルクとオイルの中間のようなトリートメント。
オイルタイプの様に透明ではなく、ミルクタイプよりは粘度が少しあります。
比較的最近の洗い流さないトリートメントに多く、オイル、ミルク両方のメリットを取り入れて作られています。
ミルクの様に白濁しているが、オイルの様にドロっとしている。
これがエマルジョンタイプの特徴です。
スプレータイプ
霧吹き型の容器に入っていて、霧状で髪の毛に付けるタイプの洗い流さないトリートメントです。
オイル、ミルク、エマルジョンと違い、油分がとても少ないのが特徴。
スプレータイプの洗い流さないトリートメントは、手に伸ばさなくてもいいのでベタベタしないというメリットがあります。
いちいち手を洗うのが面倒。という方には付けやすく、向いているトリートメントですね。
しかし、霧状でたくさん出てしまうので、なくなるのは早いです。
洗い流さないトリートメントの違い
効果や質感の違いは?
結論を言ってしまうと、オイルの方が良い、ミルクの方が良い。効果が高いというのはありません。
ネットの情報だと、オイル=シットリ ミルク=サラサラ という基準が多いようですが、内容成分によってかなり違いがでます。
洗い流さないトリートメントの主役成分は『シリコン』です。
ジメチコン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサンなどはすべてシリコン。
ほぼ間違いなくたくさん入っています。
このシリコンが何を使っているか、そしてどのようなバランスで使われているのか。
そして中に使われている植物油や保湿成分に何を使うのかでサラサラ、シットリのバランスは変わってきます。
シリコン剤をあまり使わずに、キサンタンガムなどの粘性のもので手触りを改善させるものもありますが、あくまで一例。
中には、ほとんど種子油や植物油だけで作られていて”自然派”のもあります。
流さないトリートメントの良し悪しを決めるのは
では一体どのような洗い流さないトリートメントが良い物なのでしょうか。
アウトバストリートメントの良し悪しを決めるのは『形状』ではなく『何が入っているのか』が大切なポイントです。
ただ手触りだけを改善させたいのであれば、ベビーオイルを付ければサラサラになります。
匂い
洗い流さないトリートメントは、流さないので匂いがそのまま残ります。
シャンプーやトリートメントの匂いも大切ですが、最後につける流さないトリートメントの香りも大切です。
お気に入りの匂いを見つけるまでに何度か試す必要がありますが、美容室で付けた時にいい匂いのものがあれば「それなんですか?」と聞くのもいいと思います。
商品のサンプルがあれば買う前にチェックしたり、ネットであれば他の方のレビューを確認してから買うと安心できますね。
洗い流さないトリートメントの中には無香料のものあります。
もしも髪の毛に匂いが残るのが好きではないという人は無香料の洗い流さないトリートメントがオススメです。
トリートメント成分
”トリートメント”と言う位なので、髪の栄養素、髪の状態を改善してくれる成分ができるだけ多く入っていることが望ましいです。
では一体どのような成分が入っていると髪の栄養になるのか、髪の状態を良くしてくれるのかを表にまとめてみました。
内容成分は流さないトリートメントの裏面を見ることで確認できるので、購入前に調べることができるので安心です。
おススメ成分
オススメのトリートメント成分を具体的にまとめてみました。順番は関係ありません。
加水分解シルク | 天然の繭(シルク)から抽出される成分。ツヤや髪の補修高価。高級品 |
加水分解コラーゲン | 化粧品に配合されることも。髪の保湿効果 |
加水分解ケラチン(羽毛) | 水鳥の羽から作られたケラチン。別名ケラタイド。抜群のダメージ補修力。ハリコシやツヤ |
ヘマチン | ダメージ補修、カラーやパーマのアルカリ除去 |
シクロペンタシロキサン | シリコンの一種。軽い仕上がりになる高価なトリートメントに配合されていることが多い |
セラミド2 | 水分保持、質感改善 |
ポリクオタニウム-51、61、64、65 | 別名リピジュア 高い保湿力(ヒアルロン酸の約2倍) |
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa | 別名ペリセア 髪内部への高い浸透力 剥がれたキューティクルを補修 |
メドウフォーム-δ-ラクトン | クシ通り改善 ダメージ補修 熱を加えると吸着力さらにアップ |
リンゴ酸 | 髪のPh調整 |
全てが同時に配合されていることはありません。
もしも優先させる成分は?と聞かれたら、『加水分解シルク』や『加水分解ケラチン(羽毛)』などがおススメです。
加水分解シルクは手触り改善に、加水分解ケラチンは髪の補修力が強いので、ダメージケアに最適です。
『セラミド』も手触りがすごくよくなりますね。
メドウフォーム-δ(デルタ)-ラクトンというのは新しい補修成分で、熱に反応して髪のまとまりが強くなります。
コテやアイロンを毎日使う人にはおススメの成分です。
洗い流さないトリートメントの代用品
アウトバストリートメントの代わりになる?
植物油だけの流さないトリートメントもある。と先ほど少し触れましたが、実は洗い流さないトリートメントの役割の一つである『髪の手触りを良くする』効果のあるものは他にもあります。
アウトバストリートメントの代用品としても使えます。
髪を補修したり栄養を入れたりという力はありませんが、洗い流さないトリートメントほど値段も高くありませんし、気軽に使えるという意味では良いかもしれません。
高価なものに手を出せない。という学生さんにも向いていますね。
ベビーオイル
「髪の毛に付けると手触りがよくなる」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
実際良くなります。
ネットの情報の中に、「ベビーオイルは髪に良くない」という記事がありましたが、全くそんなことはありません。
ダメージを与える成分は一切配合されていないので安心してください。
ベビーオイルの主成分はミネラルオイル(鉱物油)と酢酸トコフェロール(ビタミンE)です。
ミネラルオイルは石油を精製したものですが、元々赤ちゃんの肌に使えるほど安全性の高い物ですし、皮膚からも吸収されることはないので問題ありません。
主成分のミネラルオイルが、洗い流さないトリートメントの配合されているシリコンと似たような働きをするので、髪の手触りがよくなります。
髪に使った使用感は、サラサラするけど付けすぎると油っぽくなるかな?という感じです。
高価なものではないのでついついたくさん付けたくなりますが、適量は大切ですね。
ホホバオイル
こちらも洗い流さないトリートメントの様に手触り改善があります。もちろんダメージ補修力はありません。
ホホバオイルは実際に洗い流さないトリートメントの中にも使われることの多い植物油で、純粋なホホバオイルは肌にも使うことができるぐらい安全性の高い物です。
「ホホバ」というカリフォルニアやメキシコ原産の多年草の種から取れる天然オイルで、植物油で石油由来のものは使われていないということもありサラッとした質感になります。
天然や自然派ににこだわる方にはおススメです。
個人的にも結構好きです。
メイク落としにも使えるすぐれもの
スクワランオイル
こちらもホホバオイルと同じように実際に洗い流さないトリートメントに配合されることの多いオイルです。
深海鮫の肝油から取れる動物性のものとオリーブオイルやベニバナ油から抽出する植物性のものがあります。
髪への使用感はホホバオイルと同じようにサラッとした感じ。これは動物性も植物性も極端な違いはありません。
ただ動物性の方が価格は少し高くなります。
ホホバオイルと同様に純粋なものは肌にも使えるぐらい安全性の高い物です。
オリーブ油
ホホバ、スクワランなどと同じく流さないトリートメントに配合されることのある植物油。
ただ、ホホバやスクワランと比べるとかなりシットリが強いです。
付けすぎるとベタベタ質感になりやすいので、個人的にはホホバの方がオススメですね。
使えなくもない。ということで。
まとめ
仕事の関係で様々な種類の流さないトリートメントであるアウトバストリートメントを使ってきましたが、ネットの情報に良く書かれているような
『オイル=シットリ、落ち着く』『ミルク=サラサラ、ふんわり』というのは「一概に言えない」と感じます。
100種まではいきませんが数十種類は使ったことがありますので信用してもらっていいかなと。
ミルクの場合は水と乳化してあるので軽い質感になるものが多いと思いますが、オイルタイプでもミルクの流さないトリートメントよりもサラサラするものも多いです。
実際植物油が主成分の洗い流さないトリートメントはかなりサラサラな仕上がりです。
それに最近ではいいとこどりをしてきた『エマルジョン』も登場。
今後ももしかしたら様々な形状のものが登場する可能性もあります。
『オイル』か『ミルク』か。で判断するのではなく、アウトバストリートメントの正しい選び方は、
『何が(どんな補修成分や油)入っているのか?』
で判断すると髪の毛に合ったピッタリのものを選ぶことができますよ。
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合わせて参考にしてください。