人気の高いミストブリーチ 霧状で出てくるブリーチ剤なのでとても扱いやすく人気が高いのですが、
あくまで『ブリーチ剤』であり『カラー剤』ではありません。
使い方を間違えてしまうと思わぬトラブルになる可能性もあるので、
このページではミストブリーチの使用上の注意点や危険性を紹介させて頂きます。
ブリーチ施術は、カラー剤とは違い染めた後の髪の毛に様々な制限が起きる施術なので、
使用方法に注意して正しく使いましょう。
ミストブリーチは『ブリーチ剤』
ヘアカラーには大きく分けて、ファッショカラー、マニキュア、ブリーチがあります。
ファッションカラー:色味を与えて髪を明るくする効果があります。
マニキュア:髪を明るくすることはできませんが、鮮やかな色を入れたり、髪へのダメージがありません。
ブリーチ:髪の色素を抜くためだけの薬で髪のメラニン色素を抜くことが出来ます。
金髪にしたり透明感を出す場合はブリーチが必要です。
このような種類の違いです。
ブリーチ後の髪の毛は施術が制限される
ブリーチは髪の毛に透明感を出し、ミルクティーやグレーカラー、ベージュや最近人気なグレージュというグレーとベージュの中間の様な色、さらに明るくすることでホワイトのような髪の色にすることもできるようになります。
しかし、髪の毛のメラニン色素を抜いてくれる反面、髪の中のタンパク質を大幅に壊してしまいます。
髪の毛の主成分はタンパク質なので、タンパク質が壊れてしまうことで髪がゴム状になったり、状態がひどいと切れ毛になったりすることもあります。
そしてなにより、タンパク質が壊れてしまった髪の毛にはパーマ系が困難になってしまう。ということです。
ラクトンチオールという特殊な薬を使えばできなくはないですが、常に置いてある美容室のほうが珍しく普通扱っていません。
かかりも普通のパーマほどかからないので、「かけられなくなる」と考えていただいて問題ありません。
そして”パーマ系”なので
縮毛矯正、ストレートパーマ、エアウェーブ、デジタルパーマすべてに該当します。
これらすべての施術に影響があります。
弱いブリーチに位置する
ミストブリーチは、多くの人が知っているクリームタイプや泡タイプの様に髪を金色等にするブリーチ剤よりも効果が弱いです。
商品説明にもありますが、金色に近い状態にするまでにはトータル10回ほどの施術が必要になるようです。
しかし、ブリーチであることには変わりません。当然一回でもタンパク質は壊れ始めます。
カラー剤でもタンパク質は壊れますが、一定のダメージ以上にならないようになっています。
最も明るいカラー剤を10回使ったところで、ミストブリーチの画像ほど明るくはなりません。(金髪にならない)
自分でやると、やりやすい場所しか染められない
セルフカラーをする人の多くが、自分で塗りやすい顔回りや、鏡を見たときに目立つ頭のてっぺんだけしっかり染まっていて、自分では塗りにくい後頭部の根元はほとんど染まっていない。
というような状態が起きています。
後ろは見えないのでうまく塗りにくいのです。
一度染まりムラになってしまうと、美容師でもキレイに直すのが難しくなります。
霧状だと頭皮に付きやすい
ブリーチはとても刺激の強い薬です。できることなら根元には付かない方が、毛根の健康を考えると理想。
美容師も、ブリーチを重ねる場合などは毛根や頭皮への刺激を考えギリギリで外したりする方法で塗る場合もあります。
しかし霧状だと、根元の黒い部分に液を付けようとしたらバッチリ毛根に付いてしまうので、頭皮が刺激に弱い方や皮膚の弱い方は特に注意して使う必要があります。
パーマができるか製造元に聞いてみた
ブリーチ後に一番問題になってくるのは「パーマをするときに影響がないのか」です。
気になってしまったので実際に問い合わせて聞いてみました。
私「ミストブリーチはブリーチとカラー剤どちらに位置しますか?」
メーカー「ブリーチ剤ですね」
私「普通のブリーチと何が違うんですか?」
メーカー「効果が非常に弱いブリーチです」
私「使った後にパーマはかけれるのですか?」
メーカー「一週間あけてもらえればかけられます」
ん??
ブリーチでタンパク質が壊されたら一週間たとうが一年経とうが、その部分にパーマはできないのでは?
私「一週間経てばできるんですか?タンパク質がブリーチで壊れたら何日経とうがパーマは難しいですよね?」
メーカー「そうですね、その場合は美容師さんに一週間前にミストブリーチを使ったことを説明してください。その髪に合った薬剤を使ってもらえると思います。」
いやいや、ちょっと待ってください。
最重要の部分を美容師に投げないでください(怒)
そんな説明を受けたのであれば期待して美容室に行くはず。
しかしブリーチの程度によってはパーマはできない可能性、もしくは上手くいかないダレたような状態になってしまうので期待を裏切ることになってしまいます。
確かにブリーチ毛でもパーマがかけられる薬は存在しますが、約9割以上のお店で常時置いていません。
それに結局ダレてかかります。
根元だけがブリーチされていて、毛先は普通のカラーの状態。しかも部分部分でムラになっていて抜け方が場所によって違うなどのパーマはハードルが高すぎます。
ミストブリーチどんな使い方をすればいいの?
前半でいろいろと言いましたが、スプレー容器に入った弱めのブリーチ。
使い方によっては便利に使うこともできます。
ポイントでライン状にブリーチ(ハイライトに使う)
スプレータイプなので髪の毛にポイントとして付けやすいです。
余計な部分をクリップでとめて、目的の場所にミストブリーチを付けます。
時間を置いている間、余計な場所に付かないようにラップなどで染めた部分を包んでおくといいでしょう。
霧状なので付けていない部分との境目が自然に馴染みます。
細い線のように分け取ればハイライトのメッシュのようになります。
インナーカラーに使う
髪の毛を部分的に分け取りブリーチをするインナーカラー。
内側を明るくするので目立ちにくくオシャレ。
ミストブリーチならブリーチほど明るくなりすぎません。
自然になじませたい場合も便利です。
毛先のポイントグラデーションカラー
こちらもスプレー状ならではの使い易さがあると思います。
髪をいくつかの毛束に分けて毛先にミストブリーチをかければ、元々霧状なので、染めない部分との境目が自然になりやすいです。
毛先を意識して多めにつけるなどの工夫があるとよりグラデーションカラーっぽくなります。
多少保存が効く
ブリーチ剤を始めとする薬剤は、1剤2剤を混ぜた後に空気に長時間触れると酸化してしまい効果が無くなってしまいます。
ミストブリーチはスプレーボトルに入っているで、余計な酸素に触れません。多少であれば保存が効くはずです。
保存期間については商品の説明書を確認しましょう。
根元のリタッチにはおススメできない
公式やインターネットのミストブリーチの使い方に、
「根元のリタッチ(黒い毛が生えて来た部分)におススメ」といった情報がありますが、プロとしてはこれはおススメできません。
理由は
- 地肌にたくさんついてしまう
- 前回染めた部分にもついてしまう
- 前回のヘアカラーよりも明るくなる可能性がある
です。
ブリーチはとても強い薬です。
プロの美容師も使うときは地肌への刺激を気を付けます。
霧状だと余計につきやすく、地肌への影響を考えたときにおススメできないのです。
そして「リタッチ」という、「新しく生えてきた暗い髪」の部分を染めるときに気を付けなければいけないのが、前回のヘアカラーした部分につかないようにすること。
すでに明るくなっている部分をさらに明るくしてしまうと、ムラになってしまうのです。
そしてブリーチは明るくなりすぎてしまう可能性があります。
特に地肌近くは体温の影響で染まりやすいので、「前回染めた部分よりも明るくなって逆プリンになった!」
という失敗につながりやすいのです。
使ったら美容師さんに一言伝える
ミストブリーチを使った経験が髪に残っている状態で、ヘアカラーやパーマを美容室で行うときは担当者に一言伝えましょう。
うっすら染まっているとプロでも気が付かないこともあります。
弱いブリーチだとしても、状態を見ながら薬剤選びに注意しないといけないので、安全性が高くなります。
まとめ
ミストブリーチ使い方に注意すれば便利な薬です。
ただ、あくまでブリーチなので、定期的に縮毛矯正をしている人は注意しましょう。
使うときは今回紹介した
- ポイントブリーチ(ハイライトやメッシュ)
- インナーカラー
- 毛先のグラデーションカラー
がおススメです。
安全に便利に使うことが大切です。
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