「クリープパーマって普通のパーマと何が違うの?」という疑問をよく聞きます。結論から言うと、
- クリープパーマは工程がほぼ普通のパーマと同じ。1液と2液の間に「乾燥・時間を置く」ステップが加わるだけ
- 「1.5倍持ちが良くなる」は過大広告。多少の向上はあるが、そこまで極端には変わらない
- 縮毛矯正・デジタルパーマ後の髪には基本的にかけられない(普通のパーマと同じリスクがある)
- ネット上の「クリープパーマ写真」の多くはコテで巻いたもの。仕上がりを誤解しないよう注意
詳しく解説します。
目次
クリープパーマとは
工程は普通のパーマとほぼ同じ
クリープパーマは通常の「コールド二浴式パーマ(いわゆる普通のパーマ)」の工程に、一つのステップを追加したものです。
基本的な流れはこちら。
髪を濡らすロッドを巻きやすくするため、まず髪全体を濡らします。
ロッドを巻くパーマの形を決めるロッド(棒)を髪に巻いていきます。
1液(還元剤)を付ける髪の内部にあるジスルフィド結合(S-S結合)を切断します。この結合を切ることで、ロッドで巻いた形に変化できるようになります。
中間水洗・中間処理1液を洗い流します。同時に酸化剤や栄養剤を付けることもあります。
▼ ここがクリープパーマだけの工程 ▼
クリープ化(乾燥・時間を置く)ドライヤーやローラーボールという機械で髪を乾燥させます。お店によっては自然放置のみの場合もあります。
▲ ここまでがクリープパーマ独自の工程 ▲
2液(酸化剤)を付ける1液で切断したS-S結合を再結合させ、ロッドで巻いた形を髪に定着させます。
流してトリートメント処理で完了
このように、普通のパーマと違う部分は「クリープ化」の1ステップだけです。
クリープ化で何が変わるのか
「クリープ(creep)」は英語で「ゆっくり動く」という意味。
パーマの1液(還元)と2液(酸化)の間に時間や乾燥を挟むことで、髪の内部構造の変化をゆっくりと進ませることができます。
具体的には、コルテックス(髪の内部組織)内にあるマクロフィブリルと呼ばれる繊維状の構造が、ロッドで巻かれた形に合わせてゆっくりと再配列されていきます。急激に変化させるよりも髪への負担が少なく、形が安定しやすくなるというのがクリープパーマの狙いです。
ただし、魔法のように別物になるわけではない点は押さえておいてください。
クリープパーマの誤解と注意点
「1.5倍持ちが良くなる」は過大評価
クリープパーマを調べると「普通のパーマより1.5倍持ちが良い」という情報が出てきますが、これは過大評価です。
確かに施術の丁寧さや美容師の技術次第では、2ヶ月の持ちが2ヶ月半〜3ヶ月になることはあり得ます。しかし「全員が1.5倍持つ」ことはありません。
パーマの持ちは髪質・ダメージ度・ホームケア・施術者の技術など複数の要素で決まります。クリープ化の工程を加えるだけで劇的に変わるわけではないので、期待しすぎないようにしてください。
縮毛矯正・デジタルパーマ後の髪には基本的にかからない
縮毛矯正をかけた髪に通常のパーマをかけると、ウェーブではなくチリチリになったり、ダメージが激しくなる事故が起きます。クリープパーマも同じ薬剤・同じ仕組みなので、まったく同じリスクがあります。
デジタルパーマ後の髪も同様です。熱処理で変化した髪の構造に、さらにパーマをかけるのは基本的に推奨されません。
特別な薬剤は使わない
「クリープパーマ専用の薬剤がある」わけではありません。使用されるのは通常のパーマ剤です。
美容室によっては「クリープパーマにはこの薬」と決めている場合もありますが、それはお店のこだわりであって、薬剤自体は普通のパーマと変わりありません。
エアウェーブとは別物
「乾燥を挟む」という点でクリープパーマと似ていますが、エアウェーブは別物です。
エアウェーブは専用の機械を使って超強力なクリープ化(ガラス化とも呼ばれる)を起こします。この機械がないと再現できないため、ハードルが高い分仕上がりの安定感も高い。
仕上がりの違いで分かりやすいのは、乾かした時のカールの出方です。
- エアウェーブ:乾かすとカール・ウェーブがしっかり出る
- クリープパーマ:乾かすとカールが弱くなる(普通のパーマと同じ)
熱でかかりすぎる可能性がある
クリープ化の工程で熱を使う場合、1液の残留成分が熱で活性化してかかりすぎるリスクがあります。
中間水洗で1液を流しても完全には落ちないため、乾燥時の温度管理を誤るとウェーブが強くなりすぎたり、余計なダメージの原因になります。これはお客様側ではなく美容師の経験と技術が問われる部分です。
「クリープパーマ」として出回る写真の多くがコテ巻き
ネット上で「クリープパーマのスタイル」として紹介されている写真の多くが、実際にはコテで巻いただけのスタイルです。
見分け方のポイントとして、クッキリしたカール感がありモデル撮影のような写真は、十中八九コテで仕上げたものです。
パーマは乾かした後にコテほどのカールは出ません。「クリープパーマをかけたらこんなふうになる!」と誤解すると、仕上がりのギャップに驚くことになります。カウンセリング時に「どんな仕上がりを期待しているか」を美容師に伝え、実際のパーマ仕上がりの写真で確認するのがおすすめです。
クリープパーマが向いている人
工程が丁寧な分、以下のような方には普通のパーマより選ぶ価値があります。
- ダメージが進んでいる髪(急激な化学変化を避けたい)
- 細い・軟毛でパーマがかかりにくい(クリープ化でコルテックスの再配列をじっくり進めることで定着しやすくなる場合がある)
- パーマがすぐ取れやすいと感じている(持ちの改善が多少期待できる)
逆に、太い・硬い・健康な髪の方は普通のパーマとほとんど差が出ないことも多いです。
酸性パーマとどう違う?
近年「酸性パーマ(コスメパーマ)」が増えており、クリープパーマと混同されることがあります。
- クリープパーマ:アルカリ性の薬剤を使う。工程に乾燥ステップを追加した普通のパーマ
- 酸性パーマ:アルカリを使わない薬剤(システアミンやラクトンチオールなど)を使う。ダメージが少ないがかかりが弱い傾向がある
ダメージ軽減を重視するなら、クリープパーマよりも酸性パーマを選ぶ方が効果的なケースもあります。担当の美容師に相談してみてください。
まとめ
- クリープパーマは普通のパーマ+乾燥ステップ。基本的な仕組みはコールド二浴式パーマと同じ
- パーマの主な化学反応はS-S結合(ジスルフィド結合)の切断と再結合。クリープ化はその過程をゆっくり進めるもの
- 「1.5倍持ち」は過大評価。多少の向上はあるが全員に当てはまるわけではない
- 縮毛矯正毛・デジタルパーマ後の毛にはクリープパーマも基本的にかけられない
- 薬剤は普通のパーマと同じ。特別な薬剤はない
- エアウェーブとは別物。乾かした時のカールの出方が全然違う
- 乾燥時の熱管理が重要。美容師の技術が仕上がりに大きく影響する
- ネット上の「クリープパーマ写真」の多くはコテ巻き。仕上がりのイメージは実際のパーマ写真で確認を
- ダメージ毛・軟毛・パーマが取れやすい人には向いている
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