年齢に関わらず多くの方がヘアカラーを楽しんでいるのではないでしょうか。
モデルさんと同じ色にしたい。白髪を隠したい。明る印象にしたい等など様々だと思います。
しかし、体質によってはアルカリカラーを含む様々なヘアカラーをすることが出来ないという人もいます。
少しピリピリするという刺激の問題ではなく、カラーに含まれる成分にアレルギー反応が出てしまうというもの。
症状の重い方だとヘアカラーの薬剤が触れた部分が水ぶくれの様になったり、
カラーが触れていないはずの顔や首、背中など他の場所まで腫れてしまったりというケースもあります。
重症化してしまうと『アナフィラキシーショック』という短時間でカラー剤の触れた部分や全身にアレルギー反応がでしまう場合もあり、決して簡単に考えてはいけないものなのです。
ヘアカラーで起こりえるアレルギーは主に『ジアミンアレルギー』と呼ばれるタイプと『アルカリアレルギー』のタイプ。
特にジアミンアレルギーは呼吸器へ影響があるものなので注意が必要。
細かく言ってしまうとアレルギー以外にも皮膚への影響を及ぼす可能性のある成分は他にもありますが、美容師全体で「特に注意すべき」とされているのがこの二つです。
ではそんな人は一切カラーが出来ないのか?
いえいえ、実はカラー剤にアレルギーを持つ方でも染めることの出来るカラー剤もあるのです。
「アレルギーがあるけどカラーをしたい」という方のために
安全性の高いもの、そして塗り方の面で安全性が高いものなどを中心に紹介させていただきます。
カラーのアレルギー
「カラーでアレルギーが起きる」と一口に言っても人それぞれ原因が違います。
花粉症もでもそうですが、同じ花粉症でもイネに反応する人。ブタクサに反応する人、スギなど様々な様にヘアカラーのアレルギーも同様です。
ヘアカラーアレルギーは自然界のものほど種類があるわけではなく、基本的には『ジアミンアレルギー』か『アルカリアレルギー』。この2種類です。
稀にブリーチの過硫酸塩によるアレルギーもありますが今回は数の多い2つを中心に説明します。
ヘアカラーアレルギーの判断方法は皮膚科でのチェックです。
『パッチテスト』と呼ばれる、ヘアカラー剤を体の皮膚の薄い部分につけ、48時間放置した後に皮膚の反応見る。
という方法。
もしも過度に赤くなったりその他以上が見られればアレルギー反応を起こしてしまう。ということになります。
本来では初めてのヘアカラーではパッチテストが義務付けられているのですが、割愛してしまう人も多いので「怪しいな」「心配だな」と感じる方はへカラーの前に必ず皮膚科でチェックしてもらいましょう。
ジアミンアレルギー
このジアミンアレルギーこそ、いわゆる「カラーのアレルギー」を代表するもの。
原因はカラー剤の中に含まれている『パラフェニレンジアミン(PPD)』という成分。
元々パラフェニレンジアミンは2011年にEU諸国では発がん性の危惧から使用が禁止された成分です。
このジアミンに対して体が過剰に反応してしまい、腫れやかゆみなどの症状を引き起こすのです。
そして重症化しやすいのもジアミンアレルギー。最悪命に関わるアレルギーなので油断禁物です。
あまり知られていませんが、ジアミンアレルギーの場合、花粉症と同じように人体の許容量を超えてしまうとそれ以降は一生アレルギー反応を示すことになります。
コップからあふれる水で例えられるように、少しずつ溜まり、いずれ溢れてしまうと同時にアレルギーが起き始めるのです。
もちろん多くの方は一生のうちにその許容量に達することがないためアレルギーが起きない人のほうが多いですが、昨日まで反応しなかったからといって今日も大丈夫とは限らないのです。
先天的に(生まれたときから)アレルギーが起きてしまう人もいるので、小さい赤ちゃんにも十分気を配る必要があります。
ジアミンとは?
正式名称:パラフェニレンジアミンという名称ですが、長いのでほとんど通称で”ジアミン”と呼ばれています。
ヘアカラー剤に混ぜて使われる酸化染料の一種です。
「そんな発がん性があり、アレルギーの原因になるものなら入れなければいいのに!」
という声も当然出てきそうですが、髪の毛を明るくしつつ色味を出していくにはこのジアミンがとても便利で使いやすく、各メーカーとも手放せないのが現状なのです。
このジアミンの効果を簡単に説明すると、ヘアカラー剤の反応、発色効果を高めてくれる作用があります。
特に濃い色素が必要とされる白髪染め系カラー剤に多く配合されています。色が薄いと白髪がしっかりと染まらないのです。
白髪染め以外にもファッションカラーやオシャレ染めと呼ばれる「アルカリカラー」にも配合されています。
お客様が求める色味に応えるためにはこのジアミンが必要なのです。
ジアミンアレルギーの反応
公式に発表されているジアミンアレルギーの反応は、重度の方だと
- 喉や口内、目など粘膜に対する激しい痛み
- 首や顔、唇などの腫れ
- 食欲不振
- 接触性皮膚炎や結膜炎
- 発がん性
など人体に悪影響なものばかり
ただこれは重症の場合で、かゆみや疼き(うずき)がジアミンの付着した部分に起こることもあります。
軽度のジアミンアレルギーの方の話を聞いたところ、ジリジリするような、なんとなく違和感があるような何とも言えない状態を皮膚に感じたことがあるようです。
発症までにタイムラグがあり、アレルギー症状が数時間~半日程度で現れ約48時間後にピークになります。
「家に帰ったらアレルギーが起きた」という方はジアミンアレルギーの可能性があります。
すぐに皮膚科を受診しましょう。
一度でもジアミンアレルギーになってしまうと今後ジアミンの入ったヘアカラーはできなくなるので注意してください。
ジアミンアレルギーを起こさないために
繰り返しますが、ヘアカラーを初めて行う場合はアレルギー反応を確認するためのパッチテストが義務付けられています。
もちろん初めに問題が起きなかったとしても今後わからないので、違和感を感じたら皮膚科で確認してもらいましょう。
マニキュアや他のカラー剤の中にはジアミンの入っていないヘアカラー剤もあるので心配な方は美容師に相談してみてください。
出来る色味は限られてしまいますが対応してくれるはずです。
一度カラーをして、数時間~に水ぶくれになったことがある。腫れたことがある、かゆくなったことがあるという方はまず注意が必要です。
市販の薬剤を使う場合も必ず内容成分表示を確認することを癖付けましょう。
すでにジアミンアレルギーの方はパラフェニレンジアミンという表記があったら絶対に使ってはいけません。
頭皮から完全に離してカラー剤を付けることでジアミンを頭皮に付けないようにすることはできますが、
万が一付いてしまったら大きなトラブルを招いてしまうことになるので使用しないようにしましょう。
パラフェニレンジアミン以外にも注意が必要
実はパラフェニレンジアミンが入っていないからと言って安心してはいけません。
それは『トルエン-2,5-ジアミン』や『パラアミノフェノール』のようにジアミンという文字が入っていたり、アミン系の成分はパラフェニレンジアミンと似たような化学構造をしているので同じような反応示す可能性があるのです。
すでにジアミンアレルギーの方は医師とよく相談しながら選びましょう。
アルカリアレルギー
ヘアカラー剤のアレルギーはジアミン以外にも薬に入っているアルカリ剤でアレルギーを起こす方もいます。
マニキュアなどのカラーを除き、一般的なヘアカラー剤というのは1液である『酸化染料(ジアミン等)』と『アルカリ剤(アンモニア、モノエタノールアミン等)』に2液である酸化剤を混ぜることで髪を発色できる薬剤を作ります。
このアルカリ剤と呼ばれる、アンモニアやモノエタノールアミンに反応してしまうアレルギーを『アルカリアレルギー』と呼びます。
ただ、ジアミンと違い保護系クリームをしっかり塗ることである程度の予防が可能で、
アルカリアレルギーの反応
アルカリアレルギーとジアミンアレルギーの反応の大きな特徴は、皮膚に対する反応、体感が大きく異なるということ。
そして症状が現れるまでの早さが違います。
ジアミンアレルギーの反応はどちらかというとかゆみや違和感に近いものだったり、呼吸器に異常が現れます。
しかしアルカリアレルギーはどちらかと言えば”痛い”という感覚が強いのが特徴。
ピリピリする、痛いなどの感覚があり、違和感というよりも”刺激”と感じる方が多いようです。
そしてアルカリ剤が触れて間もなくアレルギー反応が起きます。
知人にもアルカリに反応してしまう人がいますが、その方の場合はカラーを塗っている最中ピリピリでしていて、流した後に少し赤みが出ます。
ジアミンは症状が出るまでにここまで早くありません。
ほんの少し付いただけでも症状が起きるので注意してください。
アルカリアレルギーを防ぐには
頭皮に塗るタイプの保護クリームなどでアルカリ反応を緩和しながらカラーするのが一般的。
しかしそれでも反応してしまう可能性が十分あるので、頭皮から完全に離してカラー剤を塗る方法をお勧めします。
もしくはアルカリ剤を一切使わないヘアカラーに切り替えましょう。
ジアミンアレルギーと比べるとアルカリアレルギーは重症化しにくいとはいえ、怪我をしたような状態になってしまう人もいるため注意が必要です。
ヘアカラーアレルギーを起こさずにカラーをするには
これまでに紹介した「ジアミンアレルギー」そして「アルカリアレルギー」のある人はカラーを諦めるしかないのか?
いえいえ実はそんなことありません。
特に気をつけるべきアレルギーはジアミンアレルギーと言えますが、ジアミンアレルギーの方やアルカリアレルギーでも染めることのできるカラー剤は存在します。
それは『種類』と『方法』で解決します。
種類
まず最も大切なことは、アレルギーの原因となる成分が含まれていないカラー剤を使うということ。
ジアミンアレルギーの方の場合、絶対にジアミンの入っているカラー剤は使ってはいけません。そしてアルカリアレルギーの方もアルカリカラーには注意すべきでしょう。
ジアミンアレルギーの方に勧められるのが『ヘアマニキュア』です。
我々美容師の認識ではジアミンアレルギーの方=マニキュアで染める という認識があるぐらい。間違ってもアルカリカラーのオシャレ染め、白髪染めは使ってはいけません。
市販の薬剤を使うのであれば内容成分を確認したり、事前にパッチテストを個人で行うことをお勧めします。
アルカリカラーの方の場合も、アルカリ剤の含まれてないカラー剤を勧められ、やはり『ヘアマニキュア』になってしまうのですが、もし髪の毛が黒いのが嫌で明るくしたいという方は完全に根元には付けずに、保護クリームをしっかり塗って頭皮に付くアルカリを緩和させながらアルカリカラーを使うケースもあります。
施術の担当者とよく相談しながら行ってみてください。
方法
ジアミンアレルギー、アルカリアレルギーの方はヘアカラーをする際は可能な限り頭皮に付かないように施術しましょう。
もし美容室で行うのであれば、「アレルギーがあるので」と伝えれば頭皮に薬剤を付着させずに塗ってくれます。
ヘアカラーアレルギーの方に酸性ヘアマニキュアがオススメされるのは、マニキュアカラーの塗り方がそもそも頭皮に付けないで塗るからです。
美容師はヘアマニキュアだけの塗り方を練習するほど。カラー剤が皮膚に付かない分安全性は非常に高いと言えます。
マニキュア
ジアミンやアルカリが含まれる「アルカリカラー」とは真逆の性質をもつ『酸性ヘアマニキュア(通称:マニキュア)』というのが存在します。
このマニキュアは『酸化染料』と呼ばれ、Phが酸性で髪の毛の表面に色を付着させることで色を発色させます。
そしてマニキュアカラーというのは、頭皮に付着してしまうと頭皮が染まってしまう。という特殊な性質があるので、美容室でマニキュアを染める場合は頭皮に可能な限り付かないように塗るので技術的に安全性が高くなります。
ただ、マニキュア自体には毒性になり得る物質も含まれています。
マニキュアであろうとヘアカラー剤、ヘナ、薬草カラーであろうと人体にとって何らかの毒になり得る物質は含まれているので、全てを避けるとなるとヘアカラーを諦める必要が出てきます。
マニキュアの注意点
確かにマニキュアはアレルギーが起きやすい人や頭皮が弱い人には救世主のような存在と言えます。
しかし、いくつかの注意点があります。
まず第一に、アレルギー反応の心配や疑いがあるのであればかならずパッチテストを行ってから使うということ。
マニキュアは塗るときは頭皮に付けません。しかし塗った後は髪の毛に付いた状態になっているので、例えシャンプーで流すとは言え注意が必要。
後日髪に付いたものが顔などに付き問題が起きないとも限らないからです。
そして発色での注意点は、『現時点より髪を明るくすることができない』ということ。
髪を明るくするためには、ジアミンやアルカリの力が必要です。ですがマニキュアにはそのような成分が入っていないので、髪は明るくならず、「色味を入れる」という状態になります。
そのため主な使用目的は白髪染めが多いです。黒髪にどんなにこげ茶色のマニキュアを塗っても 黒+こげ茶=黒 になってしまいますからね。
カラートリートメント
カラートリートメントとは、色素の入っているトリートメントのこと。ジアミンやアルカリなどのアレルギーが起きやすくなるようなものがほとんど含まれていません。
ただ、使用自体には問題が少ないのですが、残念ながらカラートリートの髪の毛染色能力は一般的なヘアカラーよりも低いです。
染まるというよりも”若干色がつく程度”というニュアンスが正しいと思います。色素を含んだトリートメントで、髪の毛に少し付く程度。
広告などでは、「使っているうちに徐々に染まる」というような表現をしている場所もありますが、何回使ったところで白髪が完全に染まるほどの染色能力はありません。
多少白髪をごまかす程度であれば使用目的としていいかもしれませんが使うことによるデメリットもあります。
カラートリートメントに必ずと言って良いほど含まれている『硝酸銀』や『硫酸銀』は、アルカリカラーと混ざると緑色に発色するという特徴があります。
「いつもと同じカラー剤なのになぜか変な色に!?」というのはカラートリートメントが流行した時期に結構あったのです。
つまり、カラートリートメントを使っていたとしても、結局物足りなくなって他のカラー剤で染める人が非常に多い。その時に色が濁って発色してしまう可能性が高いのです。
であれば初めからちゃんと染まるもので染めていた方が、余計な成分が邪魔しないでキレイな色が出せるのです。
アレルギーが起きにくいという点は素晴らしいのですが、意味がないと感じたら無理して使う必要はないと思います。
ヘナ
インド原産の『ヘンナの葉』を利用した染色方法です。
植物の染色能力を使うため、化学成分が含まれておらず、アレルギーも起こしにくいというのが特徴。
ただし、100%ではないので使用前は一度パッチテストを行いましょう。植物を利用したものなので、必ずしもすべての人に安全という訳ではありません。
※植物性を過信する人が多いですが、漆を始めとする様々な植物には皮膚に影響を及ぼすものもあるので、自然だから必ずしも安全というわけではない。
「頭皮のことを考えヘナで染めている」という方も多いのですが、確かに”ヘナ”そのものは問題性が少ないのですが、正直あまりおススメできないかな…という点がいくつかありますので紹介させていただきます。
ヘナの注意点
ここで紹介させていただく『ヘナ』は「ピュアヘナ」と呼ばれる純度が100%のヘナのことです。
ヘナはインドだけでなく日本でも人気が高く、日本で伝わってから実は様々な種類のヘナが発売されています。
ヘナの特徴の一つに「強いオレンジ色になる」というものがありますが、このオレンジを緩和し、オレンジになりにくい色やインディゴ(青)を加えたような色など様々なものが発売されました。
ここで最大の注意点ですが、ジアミンアレルギーの方が使っていいのは純度100%のヘナだけ!ということです。
インディゴを始めとする様々な色付きのヘナの場合、発色の為に、ジアミンが使われているケースが非常に多いのです。
つまり天然成分と化学成分のハイブリッド型のヘナです。
当然のことながらジアミンが入っていますので、ジアミンアレルギーを起こしたことがある人はアレルギー症状が出ます。
「ヘナなら安心だから」
と安易にいつもと違うヘナを使ってしまったら実はジアミンが入っていて、アレルギー事故につながった。というのが実際に起きています。
美容師側ももちろんですが、市販で使われる場合も本当に注意してください。
ヘナでも何でも、まず内容成分表示を必ず確認してジアミン系成分が入っていないことを確認しましょう。そしてどうしてもヘナで染めたいのであればかならずピュアヘナで染めるようにした方が安全です。
発色が強いオレンジになる。というのがヘナの特徴です。
これはヘンナの葉がオレンジ色に発色する性質なので避けられません。
そして染色時間が非常に長い。というのもデメリットの一つ。
普通のカラーなら20分前後ですみますが、ヘナはそれ以上。1時間以上かかるものもあります。
もしも「すぐ染まるヘナ」や「オレンジにならない」などの謳い文句がある場合、純粋なヘナだけではないと考えた方が良いです。
そして以外に知られていないのですが、ヘナで染めている人は、強いコーティング力のせいでパーマが本当にかかりにくいという特徴があります。
ショートヘアにして全体にパーマをかける。というのは年配の女性には人気のスタイルですが、実はパーマの障害になる染め剤なので注意してください。
(ヘナで染めていて美容室でパーマする場合は、ヘナを使っていることを事前に技術者に伝えましょう)
ノンジアミンカラー
実は近年になり、「ジアミンを含んでいないカラー剤」というのが作られました。アルカリ―カラーに該当するので、アルカリにアレルギー反応がある場合は使えません。
通常のアルカリカラー同様に、少しであれば髪を明るくできてファッションカラー同様に色も入れられます。
今までそのようなカラー剤にはジアミンが必要不可欠だったのですが、とある会社のカラー剤は「ジアミンアレルギーの人でも色々なカラーを楽しめるように」と開発されたようです。
カラー剤の名前は『ヘルバ』というカラー こちらの会社が作っているカラー剤。
正直この話を聞いたときは凄いなと感じました。
この会社で作られているノンジアミンカラーは2種類。
完全にジアミンが含まれていないカラー剤と、微量だがジアミンが含まれているが、通常のカラー剤と比べたら非常に少ない。というジアミン減量型のタイプ。
もちろんどうせなら完全にジアミンの含まれていないカラー剤の方がいいですよね。
通常のアルカリカラーよりも色味の幅、明るくできるレベルは限られてしまいますがジアミンアレルギーの方にとっては画期的だと思います。
ノンジアミンカラーの注意点
確かに非常に画期的なカラー剤ではあるのですが、いくつか注意点があります。
まず第一に、自分がジアミンに対してアレルギーを起こしているのか、アルカリに対してアレルギーを起こしているのか前もって判断しておくということ。(自己判断ではなくきちんと皮膚科で検査しましょう)
ノンジアミンカラーは確かにジアミンが入っていませんが、その分アルカリの力を強くすることで髪の毛を発色しています。
このため、ジアミンアレルギーの人は無症状ですが、アルカリアレルギーの人は普通のカラー剤、もしくはそれ以上に刺激が出る場合があります。
このあたりはジアミンを使わない分仕方ないという部分なのですが、アレルギーを間違えてしまうと事故に繋がるので注意してください。
そしてもう一つ。これはノンジアミンカラーを扱う美容室側の注意点と言えますが、ノンジアミンカラーとジアミンカラーを使うカップやハケ、グローブと完全に別ける必要があるということ。
ジアミンカラーを使ってもしっかり洗えば良い。だと万が一ほんのわずかでもジアミンが残っていたらアレルギーによる事故が起きます。
なので、ジアミンが残っている要素をなくすためにも、混ぜるためのカップ、塗る為のハケ、手に付かないようにするためのグローブに関してはノンジアミン専用の道具を用意する必要があるのです。
ジアミンアレルギーの方にとっては非常に素晴らしいヘアカラー剤だと思います。
ただ色味がまだまだ少ないという理由からか、扱っている美容室を見つけるのが難しいのが現状ですね…
体感ですが、数十件に1店の割合でないと扱っていないかと思います。「ノンジアミンカラーのヘルバは扱っていますか?」と美容室に電話で確認してみるのもいいかもしれませんね、
こんなカラー剤には注意
実は危ないヘアカラー剤
一見安全そうに見えるカラー剤でも、実はアレルギーの可能性(ジアミン等)が含まれているカラーもあるので紹介させていただきます。
薬草、香草カラー
「草木の力で染める」「自然の力で染める」というのを売りにしたカラーです。
年配の人に非常に人気が高いのですが、実は気を付けなければいけないポイントが。
薬草カラー系は粉末状、液体状の薬剤をお湯などで溶いて使用します。普通は溶剤である2剤として過酸化水素を使うのですが、必要ありません。そのため一見”髪や頭皮に優しそう”というイメージを持たれています。
まぁ確かにアルカリカラーに比べて髪の毛にダメージが少ないのは確かですが…
温めて30分ほどで髪の白髪なども染まります。
ヘナでもないのに一体何故?
実はこのようなカラー剤の髪の毛を染める仕組みは、薬草や香草のような成分が髪の毛に色を付けているのではなく、実際に髪に色を付けているのは染色剤とジアミンの力なのです。
ジアミンには発色を高め、染料を髪の内部に届ける力があります。つまり染料と混ぜることで髪に色を付けることは可能なのです。
そのため確かにアルカリに対して反応してしまう人に取っては安全性が高いと言えますが、ジアミンに対して反応してしまう人にとっては非常に危険な薬なので注意してください。
「自然派」や「天然」「薬草」「オーガニック」などの言葉を使ってある商品は「安全性が高いのかな?」と錯覚しやすいですが、それらの天然成分以外にもキッチリ化学薬品成分は使われているので、アレルギーが心配な方はきちんと内容成分を見極めてから使うようにしましょう。
もちろん、普段使わないような薬の場合はパッチテストを行ってください。
まとめ
個人的に、カラー剤のアレルギーが心配な方は『マニキュア』をお勧めします。
美容室でもイイですし、自分で塗るのが手間にならなければ自分で購入して使ってもいいと思います。
美容室でもカラーに関するアレルギーを伝えるとほとんどの場合マニキュアを勧められるでしょう。
実際自分が担当している方でも、生え際などの気になった場所は自分でマニキュアし、2か月に1回美容室で全部マニキュアする。という方がいます。
肌が荒れ易いので、通常のカラー剤はできないのです。
マニキュアは確かに明るくできませんが、アルカリアレルギーの場合もジアミンアレルギーの方も両方に対して安全性が高いです。
ヘナだと時間がかかりますし、強いオレンジも好みがある。
ノンジアミンカラーの場合、自分が完全にジアミンアレルギーで、アルカリは問題ない。という方はいいと思いますが、非常に特殊なカラー剤なので薬剤を置いてある美容室が限られてしまうのです。(地域に一件あればいい方)
これらを総合して考えるとどこでも気軽にできるマニキュアではないか。と思います。
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