強いクセも朝が楽々サラサラになれる縮毛矯正。同時に「ヘアカラーも楽しみたい!」という人も多いハズ。
そこでこのページでは、現役美容師としての知識を活かし
- 縮毛矯正とヘアカラーは同じ日にできるの?
- どっちを先にすると髪が傷みにくい?おススメは?
- 別々にするときは何日空けたほうがいい?
などについて写真も使いながらわかりやすく紹介します!
正しい知識を身に付けると、縮毛矯正もヘアカラーも長持ちしますよ♪
縮毛矯正とヘアカラーは同時にできるの?
「縮毛矯正とヘアカラーは同じ日にできるの?」「断られない?」
と心配される方はご安心を。
縮毛矯正とヘアカラーは、同じ日にできます。
ひと昔前までの薬剤では、髪に大きな負担をかけてしまうため「同じ日にしちゃダメ」という考え方を持つ美容師さんもたくさんいました。
しかし、研究開発の進歩により「同じ日に行っても髪に負担の少ない薬剤」が登場。
これにより「同じ日に同時に行っても大丈夫」になったのです。
ただ、中にはそれでも「うちは縮毛矯正とヘアカラーは別々の日じゃないとしないよ」という美容師さんもいます。
同じ日にできるとはいえ、できるだけお客様の髪の負担を減らしたいという想いから同時施術を断る美容室があるのも確かです。
縮毛矯正とヘアカラーはどっちが先?おススメの順番は
縮毛矯正とヘアカラーを同時にする場合は、美容師さんが髪の状態を見ながら判断してくれます。
基本的にはおまかせでOK♪
しかし中には「ヘアカラーはセルフでするから縮毛矯正だけしてほしい」「ヘアカラーは別のお店でしたい」という人もいますよね。
そんな時は、縮毛矯正を先に行いましょう。
理由は大きく3つ。
理由① ヘアカラーが落ちてしまう
セルフカラーもサロンカラーも、一般的に酸化染料を使ったアルカリカラーで髪を発色させます。
「酸化」で色を髪の毛に定着させますが、縮毛矯正で使うヘアカラーはアルカリ性でできています。
酸化でせっかく定着したカラーが、アルカリ性になることで結びつきが弱くなってしまう。
結びつきが弱くなったヘアカラーは簡単に髪の毛から流れ出てしまう。
というようにヘアカラーが色落ちしやすくなってしまうのです。
理由② 髪色が明るくなってしまう
ヘアカラーは色落ちすると髪色が明るくなります。
せっかくヘアカラーで色を暗くしたのに、色が落ちて髪色が明るくなった。
学校やアルバイト、実習や仕事などなど。
計算通りに色の明るさをコントロールしたいときに、「イメージよりも明るい髪色になった」を防ぐためにも、縮毛矯正してからヘアカラーすることをおススメします。
理由③ 先にヘアカラーをすると傷みやすくなる
ヘアカラーで髪を染めると、「残留薬剤」や「残留物質」「残留アルカリ」といって、髪の内部にヘアカラーの成分がわずかに残ります。
日が経つと、空気中の酸素や日々のシャンプーで徐々に残留薬剤がなくなっていきます。
ヘアカラーしたてで「残留薬剤」が髪の毛にたくさん残っている時に縮毛矯正の薬を付けると、薬剤パワーを強めてしまうという特徴があります。
必要以上の強さの薬剤は髪の毛のダメージの元。
薬剤の負担に髪が耐えられず、チリチリに。といった事故も美容室で実際に起きています。
この過剰反応による失敗は、縮毛矯正を先に行う。あるいは、ヘアカラーをしたあとに、1週間~2週間以上日にちをあけることで回避できます。
もし縮毛矯正をかけるときに、間近でヘアカラーをしていたら「〇日前にヘアカラーをしました」などを美容師に伝えましょう。
正しい髪質判断をしやすくなり、余計な失敗を防ぐことができます♪
カラーと縮毛矯正を別々にするとき何日後がおススメ?
もし縮毛矯正とヘアカラーを別の日にするときは、一週間以上経ってから行うことをおススメします。
特にヘアカラーを先に行った場合ですね。
さきほども紹介しましたが、ヘアカラー直後は髪の中に残留物質が残っています。
その残留物質の影響で、縮毛矯正の時、髪の毛が傷みやすくなります。
これを防ぐには、しっかりと空気に触れさせること。
空気に触れると「酸化」が進み、残留物質の影響も弱くなります。
髪の酸化の目安は2~3日(48時間)が目安。
念のため余分に時間を置いて1~2週間以上経ってから続きを行うことをおススメします。
先にヘアカラーをするとどのくらい傷むのか実験してみた
「縮毛矯正とヘアカラーをする時は、縮毛矯正が先」を分かりやすくするために、実際に先に縮毛矯正を行った場合、ヘアカラーをした場合とで比較の実験をしてみました。
「具体的にどのくらい傷むのか」がわかります。
まず、コチラは同じ条件の2つの毛束。
それぞれ先に縮毛矯正とヘアカラーをした状態を作ります。
縮毛矯正とカラーをそれぞれ行う
写真上の毛束には縮毛矯正。そして下の毛束にはヘアカラーを先に行います。
そしてコチラが仕上がり。
写真上の毛束は色はそのままに真っすぐに。そして下の毛束はクセはそのままで色が明るっていますね。
このまま続きも行います。
さらに縮毛矯正とヘアカラーをする
さきほど先に縮毛矯正をした上の毛束にはヘアカラーを。
ヘアカラーをした下の毛束には縮毛矯正を行います。
そしてコチラが仕上がりの写真。
見た目にもすぐわかるように、縮毛矯正を先に行った髪は、キレイにまっぐぐなまま色が変わっています。
一方先にヘアカラーをした毛束は、真っすぐにはなっていますが少し広がっている印象ですね。
「クセを伸ばしてまっすぐにするならどっちの髪の毛がイイですか?」と聞かれたら、ほとんどの人が「↑」と答えるのではないでしょうか。
さらに、アップで詳しく見てみると、先にヘアカラーをした毛束は髪の根元近くに折れたようなダメージが出ています。
手触りは写真で伝わりにくいですが、上の毛束はサラサラ。
下の毛束は少しゴワゴワしていました。
縮毛矯正した髪の毛はヘアカラーが染まりにくい
さきほどのコチラ仕上がりの写真。
よく見ると、縮毛矯正を先に行った髪の毛の方が少し暗いのがわかるでしょうか?
先にヘアカラーをした髪の毛は、広がっていますが少し明るいですね。
縮毛矯正をした髪の毛は、ヘアカラーで明るくなりにくくなる、染まりにくくなるという特徴があります。
これは、縮毛矯正の影響で髪表面のキューティクルと、内部のタンパク質が変化してしまったために起こる現象です。
縮毛矯正をした髪の毛は、髪表面のキューティクルが硬くなってしまい内側にヘアカラーの薬が届きにくくなります。
コチラは、縮毛矯正をした後にヘアカラーした毛の断面図。
色が入りにくくなることで、表面に色素がかたまってしまい暗くなる。
そして内側に入らないことで発色しにくくなるのです。
最近では、この”色の沈み込み”を防ぐ縮毛矯正剤も開発されています。
まだまだ美容業界全体に広がるには時間がかかりますが、今後薬の進化によって「縮毛矯正=染まりにくい」の常識は変わってくるのかもしれませんね!
まとめ
- 縮毛矯正とヘアカラーは同時にできる
- 縮毛矯正とヘアカラーは先に縮毛矯正をすると傷みにくいよ
- 別々の日にするなら、それぞれ1週間~2週間間隔をあけると安全にできるよ
です!参考にしてください♪