朝のひと手間で髪の毛がいつもと違う表情に。そんなときにコテを使った巻き髪は非常に便利ですね。
今では様々なコテが作られ、細かい温度調節ができるものやマイナスイオンが出るものなど様々なものがあります。
しかし、いくら色々なコテが作られていても無くならない女性の悩みが、「コテで巻いたけど持ちが悪い」「すぐ取れてしまう」というもの。
一体『どうやったら巻き髪の持ちは良くなるのか?』という疑問にプロならではのアドバイスを含めて紹介させていただきます。
そして実際に細かいやり方の手順と、どのくらい持ちが良くなるかの比較画像も用意したので参考にしてみてください。
コテ巻きの持ちを良くする方法
コテ巻きの持ちの良さの違いについて皆さんはどのようなことが原因だと思いますか?
おそらく多くの方が考えるのがこのあたりではないでしょうか。
≪コテの良し悪し?≫
確かにコテの種類によって温まり方が違うので使い易さという差は出ると思います。しかし、一旦熱の跡が付いてしまえば実は後はさほど変わりません。
コテの良し悪しに関しては持ちではなく、カールの作りやすさに関係してきます。
≪温度?≫
温度も確かに重要です。あまりに低温だと非常に時間がかかってしまい面倒に。カールもきちんとつかなかったりします。
しかし高温すぎるコテといういのは髪の毛に対してタンパク変性という熱によるタンパク質の変性効果があり、深刻なダメージや焦げにつながる可能性があります。
よく見る「200℃以上のコテ」というのは明らかに高すぎ。どんなに高くても180℃。跡は付きにくくなりますが理想は160℃です。
≪髪質?≫
確かに髪質によっても左右されます。元々クセが少しある方はコテ巻きの持ちが良かったり、逆にかなりの直毛の方の場合真っすぐに戻ろうとする力が強いため巻きが取れやすい傾向にあります。
しかしそれでも、パーマのように髪そのものにカールを付けるわけではないので取れる時は等しく取れますし、直毛の人でもコテ巻きの持ちを良くすることは可能です。
スプレーワックスを仕上げに付けよう
コテを使った巻き髪を最も手軽に、長時間持たせるためには仕上げに使うスプレーワックスがとても大切。
言い換えれば、どんなにしっかりとキレイに巻いてある巻き髪でもスプレーワックスを仕上げに使わなければ夜まで、ましてや夕方までキープしておくことは難しいと言えます。
そして、スプレーワックスなら何でもいいかというとそれは違います。
余りに柔らかい質感のスプレーワックスだと付けた意味がありませんし、固めすぎると何か被りものをしたような、動いたときに非常に不自然な髪の毛の動きになってしまいます。
”ややセット力があるけどハード過ぎない”このぐらいの強さのワックスがベストなのです。
ムースワックス、ミルクワックスは付けちゃダメ
カールやウェーブの髪型ならムースワックスがいいの?
と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、巻き髪にムースワックスやミルクワックスはNG
というのも、ムースタイプやミルクタイプのワックスは、数あるスタイリング剤の中でも水分量が多めです。
水気を与えた時にカールやウェーブが出てくるようなパーマヘアには向いているのですが、コテで巻いた髪というのは水気を与えてしまうとカールが一気にダレて取れてしまいます。
そのため、固形のワックスかスプレーワックスが向いていると言えます。
持ちのイイ巻き髪をつくる一連の流れ
①洗い流さないトリートメントをつける
コテは非常に高温になります。それに毎日使うのであればダメージケアも非常に大切。
そこでオススメなのが『洗い流さないトリートメント』 別名アウトバストリートメントとも呼ばれますが、これを髪の毛に付けるか付けないかで巻き髪の仕上がり、そして日々のダメージに大きく差が出ます。
洗い流さないトリートメントの1つ目の役割は、乾燥防止。
オイルやミルクタイプで油分を補ってあげることで、コテを巻いた後の髪の毛が乾燥しすぎてしまうことを防いでくれることができます。
コテやストレートアイロンを使っていたら乾燥しすぎで静電気が起きてしまい髪の毛がまとまらなくなってきた…なんてことはありませんか?
これを防ぐためには髪表面から水分が飛び過ぎないように保湿成分を補ってあげる必要があるのです。
そしてもう一つの役割が、トリートメント効果によって髪の毛にまとまりを出して手触りを良くしてくれるということ。
巻いた後の髪の毛がキレイな方が仕上がり全体がキレイになります。
②完全に乾かす
コテやストレートアイロン等、高温を髪の毛に当てる場合は必ず髪の毛が完全に乾いた状態で付けるようにしましょう。
髪の毛は、濡れている状態と乾いている状態では耐えられる温度が違います。
完全に乾いていれば160~180℃までは耐えられますが、濡れていると100℃以下の温度でも焦げたりチリチリしたり深刻なダメージが起きます。
アイロンを当てて「ジュッ」という音がするのであれば水分が残っています。
必ず完全に乾かして使いましょう。
③巻く
巻き髪は、縦巻き横巻き、斜め巻きと種類があり、さらにフォワード巻き(前方向)とリバース巻き(後ろ方向)という巻き方があり、組み合わせ方で仕上がりの雰囲気が変わります。
目的のスタイルに合わせて巻きましょう。
コテの部分は非常に高温なので、皮膚に当たったり指で触らないように十分注意してください。
④ミルク、クリーム、ムースワックス
巻き終えたら、ベースとなるワックスを付けましょう。
ちなみにこのベースワックスはあってもなくても良いですが、クッキリしたカールを出したいのであれば付けた方が良いです。
ワックスの効果で動きのある表情を髪の毛に作ることが出来ます。
この時のワックス選びは、適度にスタイリング能力のあるものを使いましょう。
柔らかすぎると逆にせっかく作ったカールがダレてしまいますし、硬すぎるとセットしにくいです。
≪ミルクワックス≫
伸びが非常に良いです。柔らかい質感を作ることができますが、水っぽさもあるため付けすぎるとカールが取れやすくなってしまいます。
≪クリームワックス≫
固形のワックス。セット能力があるので髪の毛に動きを出すことが出来ます。伸びが悪いので水を数滴加えて手のひらに伸ばすと使い易くなります。
≪ムース≫
非常に軽い質感が作れます。髪の毛の付けムラも少ないので使い易いです。ミルクと同じく使いすぎるとカールがダレてしまいます。
⑤必須 スプレーワックス
巻き髪を長持ちさせたいなら、仕上げにスプレーワックスを必ず付けましょう。
いくらしっかり巻いてしっかり固形ワックスをつけても仕上げのスプレーを付けないと本当に持ちが悪くます。
スプレーなしでは湿気にも弱くなるので、雨の日などっはあっという間に落ちてしまいます。
美容室でヘアセットをしたことがある方なら分かると思いますが、毛先を巻いた後必ずハード系のワックスをしっかり付けます。
それによって時間が経っても巻いた状態がキープされるのです。
ただ、それはフォーマルな場なのでかなりハードなスプレー(かなり固まる)を使いますが、普段使いで巻き髪がガチガチだと不自然。
そのため、”ある程度”セット力があるスプレーワックスを選ぶといいでしょう。
ワックスの強さが1~10まであるとしたら、5~7ぐらいのものを使ってあげると自然な巻き髪を長時間キープできます。
コテの持ちを良くする手順
写真で説明
では実際に写真を見ながらの解説をさせていただきます。
Befor
まずこの段階をBeforとします。つまり、朝起きた状態です。寝癖のように後ろの髪の毛が少しハネていますね。
非常に多い失敗例として、このまま巻き始めてしまうことです。
寝癖があったり髪の毛が爆発している状態だと根元の方向性が色々な方向に向かっているため、どんなに毛先に変化を加えても仕上がりが上手くいきません。
そのため必ず濡らしてクセをとりましょう。
ベストなのは全体を一度濡らしてしまうことですが、「全部濡らした後に乾かすのは大変」という方はクセが付いてしまっている場所だけで構いません。霧吹きなどで一部分だけ濡らしましょう。
この時のポイントは、『クセが付いている部分の根元から濡らす』ということ。仕上げをキレイにするには根元からのうねりやクセは出来るだけない方が良いのです。
濡らした状態
この状態が全体を濡らした状態。これからドライヤーで乾かしますが、タオルドライをしっかり行っているとドライヤー時間が遥かに短くなるのでタオルであらかじめしっかい拭いておきましょう。
洗い流さないトリートメント
乾かす前に洗い流さないトリートメントを付けた方が理想です。というのも、アイロンは高温なので髪が硬く、傷みやすくなります。そして乾燥のし過ぎで静電気を起こさないためにもオイル系、ミルク系どちらでもいいので付けた方が仕上がりはキレイになります。
付ける量は洗い流さないトリートメントによっても変わりますが、オイルタイプのもので大体100円玉~500円玉ぐらいに広がる程度で構いません。
物によってこの辺は大分差があるのでお使いのもので調節しながら使ってください。
そして洗い流さないトリートメントをなじませるときは必ず目の洗いクシで。髪が濡れている状態は非常に傷みやすい状態なので、目の細かいクシで沢山とかしてしまうとキューティクルを傷つける可能性があります。
写真程目の大きなものはないかもしれませんが、ある程度目の粗いものなら100円均一でも売っています。
ハンドブロー
全体をブローしてからコテを巻いた方が丁寧と言えますが、「そこまでは大変」という人は、ドライヤーで乾かしながら髪の毛をすこし指で挟んで伸ばしましょう。
手握る様に優しく引っ張れば出来るはずです。これはハンドブローと言われ、”手でブローする”という役割がありただバサバサと乾かすよりもドライ後のまとまりが出ます。
ドライ後
こちらがハンドブロー後。この状態からあいろんで巻いていきます。
アイロンの温度に注意
今回使うアイロンは、26mmという比較的どんな長さでも巻くことができるアイロンを使っていきます。
温度は170℃に設定。200℃以上の超高音で巻いたりストレートアイロンを使ったりする人がいますが、温度が高すぎです!焼きが入り、タンパク変性と呼ばれる、タンパク質が高質化して固くなってしまう現象が起きやすくなるため、温度はマックスでも180℃。理想は160℃前後で巻きましょう。
巻き方
「髪の毛が多くて、長くて巻きにくい!」という方は髪の毛をこのように上下で2~3頭分しながら巻いてあげると巻きやすくなります。
この時のクリップも100円均一に売っているので無理に高い物を買う必要はありません。
今回は実験的な意味(アイロンの持ちの検証)での巻き髪なので、左右均等に。そしてやや機械的に巻いていきます。
前方向45度で巻いて、毛先から2回転巻く。これを左右同じように行います。(顔回りだけ後ろ向きに巻いている)
巻いた状態
この写真が巻いた状態。この巻きの変化を追っていきます。
右半分だけスプレーワックス
コテの巻き髪の持ちを良くするために最も重要なのは『スプレーワックス』です。
髪の毛のスタイリングの最後に行うワックスですが、スプレーワックスを付ける付けないで巻き髪の持ちは全く違います。
もちろん、巻き髪に動きやツヤ感、束感を出したい方は、スプレーワックスの前に使ってください。
ただし!!ムースワックスは巻き髪には不向きです!!
というのも、ムースワックスの場合、油分と水分を与える効果が強いため、パーマヘアのように水分があるとカールが出てくようなスタイリングには向いていますが、コテ巻きの場合水分が髪に付くとせっかく巻いたカールが取れるので注意してください。
前髪も含めて右半分(正面から見ると左側)だけスプレーワックスを付けてあります。
スプレーワックス後。今回スプレーワックスの前に他のスタイリング剤は付けていません。洗い流さないトリートメントだけです。
そのため付けたてではそこまで左右に変化はありませんね。
そして、あくまで生活スタイルに合わせた比較をしたいので、外に放置します。通勤や通学、営業の外回りなどで外出する人は多いはずです。
一時間後
ひとまず外に放置して1時間後です。
すでにスプレーなしの方はカールがダレ始めているのは分かるでしょうか?
人毛とはいえ、ウィッグの毛なので人によってはもっとカールが落ちる人もいるかと思います。
外出して歩くことを想定して
外に出て立ったまま。という人はいません。人間は前に向かって進むのでそのことを考慮した巻き髪の持ちを考えます。
さすがにこの人形を持ち歩いて外出するわけにはいかないので、真正面からドライヤーの風(冷風)を当てて前に進んだ状態の髪の毛の変化を表現します。
これによりより外出時の状態に近い変化を見ることができます。
時間にして2分ほど風を当てましたが、本来であればもっと影響を受けるかと思います。
この時の写真でもスプレーワックスが付いていない方は髪が散っているのが良く分かりますね。
そしてその後さらに一晩放置
外出後、職場、学校などの建物に入って時間が経ったことをイメージするために一晩時間を置きました。
左半分はスプレーワックスが付いていないのでかなりカールがダレているのが分かると思います。
このウィッグの場合毛先がブリーチしてあるので、引っかかりやすくカールも残りやすいので多少残っていますが、髪の毛にハリコシがある方の場合であればもっと大きく差が出たかと思います。
いかに仕上げのスプレーワックスの重要か分かっていただけたのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回紹介させていただいた方法はプロが現場でも使う方法です。
しかしプロだから難しい、手間、ということはなく巻き髪にとって本当に基本的なスタイリングです。
そして、美容師目線の意見としては、スタイリング剤の質にも目を向けてください。アイロンのコテ巻きの持ちにこだわるのであれば特に。
スタイリング剤の質というのは、使い易さにももちろん関係しますが、とにかく”持ち”に関しては雲泥の差が出ます。
何も美容室で買わなくても今はネット通販を利用することでプロ向けのスタイリング剤がほとんど市販品と変わらない程度の値段で購入することができます。※美容師がこんなこと言っちゃいけないんだけどねw
美容専売品といわれるスタイリング剤は、美容商材専門の業者が研究して作り上げ、プロが使っても納得できるように開発されたものです。
実際にプロ向けのスタイリング剤の良さを知ってしまうと市販品に戻れないほど良いものが多いのでお勧めですよ。
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