白髪染めは毎回毛先まで染めなくていい。リタッチと全体染めの使い分け

白髪染めを続けていると、こんな疑問が出てきます。

「毎回、毛先まで全部染めた方がキレイなんじゃないの?」

「リタッチだけだと、手抜きされている感じがする」

先に結論をお伝えします。

  • 白髪染めは、毎回毛先まで染めない方が髪のためには正解です。たとえ料金が同じでも、です
  • 普段は新しく伸びた根元だけを染める「リタッチ」、全体染めは色を変えたい時や、毛先の色落ちが目立ってきた時で十分です
  • 毎回毛先まで薬剤を付けると、染まっている部分にさらに負担が重なって、毛先から傷んでいきます

この記事では、リタッチと全体染めの使い分けと、その理由を現役美容師が紹介します。

そもそもリタッチと全体染めは何が違うのか

リタッチ(根元染め)

新しく伸びてきた根元の部分だけを染める方法です。

髪は1か月に約1cm伸びるので、前回染めてから1か月なら、染めるのは根元の約1cmだけ。

すでに染まっている部分には、基本的に薬剤を付けません。

全体染め

根元から毛先まで、髪全体に薬剤を付ける方法です。

色を変えたい時や、全体の色を揃え直したい時に行います。

大事なのは、この2つは「丁寧さ」の違いではなく「目的」の違いだということです。

リタッチは手抜きでも簡易版でもありません。目的に合った正しい染め方です。

料金が同じでも、毎回毛先まで染めない方がいい理由

お店によっては、リタッチでも全体染めでも料金が同じ場合があります。

すると「同じ値段なら、毛先まで染めてもらった方がお得では?」と思いますよね。

気持ちは分かります。でも、髪のことを考えると逆です。

理由1:毛先は「もう染まっている髪」だから

毛先の部分は、前回も前々回も薬剤が付いている部分です。

そこに毎回また薬剤を重ねると、色が濃く入って暗くなりすぎたり、負担が積み重なってパサつきや切れ毛の原因になったりします。

特に白髪染めは色をしっかり入れる分、おしゃれ染めより1回ごとの負担も小さくありません。

理由2:根元と毛先では、必要な薬の強さが違う

新しく生えた健康な根元と、何度も染めている毛先では、同じ薬で同じように染まるわけではありません。

美容室では、根元にはしっかり染まる薬、毛先には色味を補うだけの弱い薬、というように塗り分けるのが基本です。

つまりプロの全体染めでも、毛先は「染める」というより「色を合わせる」扱いをしています。

それくらい、毎回毛先まで同じように染めることには意味がないんです。

美容室で、美容師がハケでお客さんの根元の部分だけにカラー剤を塗っているところ

では全体染めはいつするのか

リタッチ中心で回しながら、こういうタイミングで全体染めを挟みます。

  • 色を変えたい時:明るさを変える、色味を変える場合は全体で染め直します
  • 毛先の色落ちが目立ってきた時:染めた部分は時間とともに少しずつ色が抜けていきます。根元はキレイなのに毛先だけ明るく浮いて見えるようになったら、全体を揃えるタイミングです
  • ツヤや手触りが落ちてきた時:毛先の色味を補うことで、見た目のツヤ感が戻ります
  • 大事な予定の前:写真を撮る機会やイベントの前は、全体を揃えると仕上がりが安定します

逆に言うと、これらに当てはまらない普段の回は、リタッチで十分です。

40代以降は白髪が増えて染める回数も増え、髪質そのものも変わってきます。そのあたりは「40代から髪がうねる・パサつく・細くなる理由。若い頃のケアが効かないワケ」で解説しています。

特にリタッチ中心がおススメな人。縮毛矯正をしている人

当てはまる方には、全体染めよりリタッチ中心を特におススメしています。

それが、縮毛矯正をしている人です。

縮毛矯正をした髪は、色が沈みやすい(思ったより暗く、濃く入りやすい)特徴があります。

その髪の毛先まで毎回カラー剤を重ねていくと、回を重ねるごとに毛先だけどんどん暗く沈んでいってしまいます。

だから縮毛矯正をしている人は、基本的には根元中心のカラーがおススメです。

毛先の色を直したい時も、美容室で「沈ませない」調整をしてもらう前提で相談してください。

縮毛矯正をした髪にカラーが入りにくく、表面で暗く沈む理由は「縮毛矯正とカラーは同時にできる?何日後?おすすめの順番を現役美容師が紹介」でも紹介しています。

根元付近は明るいのに、毛先に向かって色が暗く沈んで見える髪の後ろ姿

リタッチを続ける時の注意点

間隔を空けすぎない

リタッチは「伸びた分だけ」を染める方法なので、根元が伸びすぎると意味が変わってきます。

根元が2〜3cmも伸びてしまうと、頭皮に近い部分は体温で薬が効きやすく、少し離れた部分と染まり方に差が出て、根元の中で色の段差ができやすくなります。

美容師の世界で「1〜1.5cm伸びているかどうか」で染め方が変わると言われるのはこのためです。

白髪が目立ち始める前に、だいたい月1回前後のペースでリタッチするのが、結果的に一番キレイに続きます。

詳しくは「セルフカラーを成功させる頻度の目安」の記事でも紹介しています。

白髪の場所によっては部分リタッチも

白髪は頭全体に均等に出るわけではなく、分け目や顔まわり、こめかみに集中する人が多いです。

気になる部分が限られているなら、その部分だけのリタッチでも十分な場合がありますよ。

市販の白髪染めでリタッチする時の限界

自宅で市販の白髪染めを使っている方も多いと思います。

市販品で根元だけを狙って染めるのは、正直かなり難しいです。

  • 市販の薬剤は基本的に1種類で、根元と毛先の塗り分けができません
  • 自分の手では、新しく生えた部分だけにキレイに塗り分けること自体が技術的に難しいです
  • 結果として、染まっている部分にも重ね塗りしてしまい、毛先の負担と色ムラが増えていきます

「セルフカラーを成功させる頻度の目安」の記事では、市販カラーは目に見えて気になる根元だけを月1回、という方法を、次に美容室へ行くまでの応急処置として紹介しました。

それでも限界はあるので、時々は美容室で全体の色と状態を揃えてもらうのが、白髪染めを長くキレイに続けるコツです。

美容室に行く時は、市販で染めた時期や場所を伝えてもらえると、薬剤の判断がしやすくなります。

縮毛矯正やブリーチなどの施術履歴も含めた伝え方は、「セルフカラーや黒染め、美容師に言わないとどうなる?恥ずかしがらずに伝えてほしい施術履歴」で紹介しています。

洗面所の鏡の前で、市販の白髪染めを自分でハケで塗っている女性

染めるたびに頭皮がしみる・かゆいときは

白髪染めは染める回数が多くなりやすいので、頭皮の変化にも気をつけてください。

  • 染めている最中や染めたあとに、頭皮がしみる・かゆい・赤くなる
  • 生え際や耳のまわり、首すじがかぶれる
  • 顔やまぶたが腫れる

こうした症状が出たときは、そのまま染め続けないでください。ヘアカラーのかぶれは、何度も染めているうちに、ある日突然出ることもあります。

症状が強いときは皮膚科で相談してください。詳しくは「ヘアカラーでかぶれたりアレルギーが起きた時の正しい対処と対策」で解説しています。

まとめ

  • 白髪染めは毎回毛先まで染めなくていい。料金が同じでも、毛先まで染めない方が髪には正解
  • 普段はリタッチ(伸びた根元だけ)、全体染めは色を変える時と毛先の色落ちが目立つ時
  • 毛先はすでに何度も染まっている部分。薬剤を重ねるほど暗くなり、傷みも進む
  • 美容室の全体染めでも、毛先は弱い薬で色を合わせるだけ、という塗り分けが基本
  • 縮毛矯正をしている髪は色が沈みやすいので、特に根元中心のカラーが基本
  • リタッチは間隔を空けすぎない。月1回前後で回すと段差ができにくい
  • 市販品は塗り分けが難しいので、時々美容室で全体を揃えるのが長持ちのコツ
  • 染めてしみる・かゆいなどの症状が出たら、染め続けずに皮膚科へ

「毎回リタッチで大丈夫かな」と不安な方もいるかもしれませんが、それが正しい続け方です。

次回予約の時に「今回はリタッチで」と伝えるだけで大丈夫なので、安心してくださいね。

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