サウナが好きな方が、美容室でこんな不安を口にすることがあります。
「サウナに入ると、カラーが落ちますか」
「熱で髪が傷んだりしませんか」
私の男性のお客様でも、サウナが好きで日常的に行く方は多いです。
ですが先に、美容師の本音をお伝えします。
- サウナが原因で髪質が悪くなった、という相談は今まで聞いたことがありません
- 「サウナでカラーやパーマが落ちやすくなる」という話も、化学的な根拠はほとんどありません
- ただし、カラーやパーマの施術後2〜3日はサウナを控えた方がいいです。理由は後で説明します(色落ちではなく、安全の話です)
この記事では、「サウナで髪が傷む」と言われる理由にどこまで根拠があるのかと、施術後に控えるべき本当の理由を、現役美容師が解説します。
目次
サウナ通いのお客様の髪は、悪くなっていません
まず現場の感覚から。
サウナに日常的に通っているお客様の髪を長年触ってきましたが、「サウナのせいで髪質が悪くなった」と感じる方は、今のところいません。
相談として聞かれたことも、ほとんどありません。
もしサウナの熱に、髪を壊すほどの力があるなら、週に何回も行く方の髪には、もっとはっきり変化が出るはずです。
実際はそうなっていない、というのが美容師としての実感です。
「熱で傷む・落ちる」に、根拠はあるのか
念のため、言われている根拠を調べてみました。
髪のタンパク質(ケラチン)が熱で変性し始めるのは、研究ではおおむね140℃以上の話です。アイロンやコテの熱ダメージの研究も、150〜230℃あたりが対象です。
一方でサウナは、80〜100℃の空気の中に10分前後いるだけです。
温度も、髪への当たり方も、アイロンとはまったく違います。
「サウナの熱でカラーやパーマが落ちる」という説明には、化学的な根拠はほとんどない、というのが私の結論です。
汗をかく回数や洗う回数が増えれば、その分だけ乾燥や色落ちが進む可能性はゼロではありません。
ただ、それは「サウナの熱のせい」とは別の話です。
ネットには「サウナで髪がボロボロになる」という煽りの強い記事もありますが、温度の根拠からは言い過ぎです。
それでも施術後2〜3日は控えてほしい理由
では、なぜ施術直後は控えた方がいいのか。
理由は、色落ち対策ではありません。安全の話です。
カラーやパーマの施術直後は、薬剤の成分が髪に残っています。
その状態でサウナに入って大量に汗をかくと、残った成分が汗と一緒に流れ落ちて、目に入る危険があります。
目に薬剤が入れば、痛いだけでは済みません。
だから私のサロンでも、カラーやパーマをした方には、最低でも2〜3日はサウナを控えるよう伝えています。
2〜3日たって、通常のシャンプーで数回洗えば、残った成分の心配はまずなくなります。
サウナ自体が悪いのではなく、「施術の直後だけは空けてください」という話です。
温泉やプールなど、汗や水で顔まわりが流れる場面も、同じ理由で直後は避けた方が無難です。

ついでに、温泉で髪がギシギシする話
サウナとセットで聞かれるのが、温泉の話です。
こちらは、サウナと違って「手触りが変わる」根拠はあります。
温泉水がアルカリ性だと、髪のキューティクルが開きやすくなり、髪同士の摩擦が増えてギシギシ感じます。泉質によっては、ミネラル分が髪に残ってゴワつくこともあります。
ただし、ギシギシする=髪が壊れた、ではありません。
ミネラルが髪の表面に膜のように残っているだけ、というケースも多いです。
上がった後に真水でよく流して、トリートメントを付ければ、旅行先の1〜2回でどうにかなる話ではありません。
気にしすぎず、上がった後のすすぎだけ意識してください。

サウナ好きの方が、最低限やればいいこと
最後に、過剰に構えなくていい範囲のケアだけまとめます。
- 汗をかいた日は、その日のうちに頭皮と髪を洗って、汗と皮脂を残さない
- 乾燥が気になる時期だけ、トリートメントを少し丁寧に付ける
- 頭にタオルを巻く・サウナハットを使うのは、頭皮の熱さ対策として有効。髪を守るためというより、快適さのためと考える
美容室の施術を受ける時は、予約日とサウナの予定の順番だけ気をつけてください。
施術の前日までにサウナに行く分には、問題ありません。

まとめ
- サウナが原因で髪質が悪くなった、という相談は今まで聞いたことがない。日常的に通うお客様の髪を見ても、実感として変化はない
- 「サウナの熱でカラーやパーマが落ちる」に化学的な根拠はほとんどない。髪のタンパク質が変性する温度は140℃以上で、80〜100℃のサウナとは条件が違う
- ただし、カラーやパーマの施術後2〜3日はサウナを控える。髪に残った薬剤の成分が汗と一緒に目に入る危険があるため。これは色落ちではなく安全のための注意
- 温泉は泉質(特にアルカリ性)で手触りが変わることはあるが、ギシギシ=ダメージとは限らない。上がった後に真水で流せば十分
サウナは、髪のために我慢するものではありません。
施術後の数日だけ空けて、あとは気持ちよく汗をかいてください。
カラーの持ちを長くしたい方は「アッシュグレー(グレーアッシュ)の色落ち|ブリーチあり・なし10日間の変化と長持ち方法」も合わせてどうぞ。
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